首脳会談、無償化裁判の27日に名古屋へ
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板門店で北南首脳会談が行われた4月27日以降、お互いが板門店宣言の履行のために積極的に動いている。北は3年ぶりに標準時間を30分ずらして南に合わせた。軍事境界線付近での宣伝用のスピーカーも撤去。連休初日の3日にはスウェーデンで開催中の卓球世界大会で女子団体の統一チームが実現した。今後、鉄道が連結されるなど、どんどん平和と繁栄、統一のための北と南の動きが進むだろう。
4月27日のことを思い出して書きたい。その日、私は名古屋へと出張に出かけた。倒れて以来、約3年ぶりの本格的な地方出張だった。その日に判決が出る愛知高校無償化裁判の取材のためである。
首脳会談が9時半からなので、中途半端に出発すると歴史的瞬間を見られないと、東京駅から9時前の新幹線に乗った。窓際のコンセントがついている席を確保して、スマホの画面で生中継を見ていたのだった。新幹線がトンネルに入るたびに画面が途切れ、危うく境界線上で両首脳が握手する場面を見逃しそうになったが、何とか歴史的な瞬間をこの目に焼き付けた。
境界線を挟んで両首脳が固く握手。金正恩委員長が左足で境界線を越える。何か会話を交わしたあと、二人は手をつなぎ一緒に南から北側へ足を踏み入れる。その姿に、こらえていた涙がこぼれてしまった。
午後に行われた愛知高校無償化裁判の判決は、このブログで(理)さんが詳細を報告しているので、ぜひ読んでほしい。朝鮮学校の教育内容まで持ち出し、朝鮮学校を排除するまったくひどい判決だった。
感激の午前と、怒りの午後。極端な一日となった。
29日まで名古屋に滞在し、愛知朝鮮中高級学校で行われた東海地方6・15学生青年協議会が主催する「南北首脳会談祝賀会」を取材。地元のNHKも取材に訪れ、関心の高さを示していた。
集会の最後に、参加者全員がカードに「統一のために何をするか、統一したら何をしたいか」というそれぞれの決意をしたためるイベントが行われた。「南から北へ自転車で縦断したい」といった夢を各自が綴っていた。目だったのが「平壌で冷麺を食べたい」といった書き込み。SNSを見ても、首脳会談の後で、冷麺を食べている姿を投稿する人たちが多い。私も連休中に食べようと思っていたが食べることができなかった。平壌に行って食べたいと思う。
祝賀会で目を引いたのが、白地に青で朝鮮半島が描かれた統一旗(写真)。昨年9月に東海地方6・15学生青年協議会が10・4宣言10周年を記念する統一コリアライブを行ったのだが、その時に参加者たちが手形を押して朝鮮半島を描いたのだそうだ。
若い世代の統一に対する思いが溢れた素敵な祝賀会となっていた。(k)