演劇「キャラメル」各地で上演始まる
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在日朝鮮人の日本軍性奴隷被害者の人生を描いた芝居「キャラメル」(作:きむ・きがん、出演:きむ・きがん、洪美玉)のことは、月刊イオの6月号やこのブログで紹介しました。今年の4.23アクションのために作られた作品で、2日間の上演で約300人の観客が詰めかけました。
イオの記事の中で、「たった2回だけの公演ではもったいないと声があがっている。演じた二人も日本全国を回って公演したいという思いをもっている」と書きましたが、さっそく各地での上演が始まります。
まずは劇を作ったきがんさんの地元・滋賀公演。
日時:2018年 8月11日 (土) 18:00開演(17:30開場)
場所:栗東芸術文化会館 さきら 中ホール
チケット代:前売り2500円 当日 3000円 学生1500円(当日も同じ) 対象:中学生以上
問い合わせ☆チケット予約 k.kija.tol@gmail.com
次に大阪公演。
日時:2018年 8月14日 (火) 18:30開演(18:00開場)
場所:イコーラム(若江岩田駅前)
チケット代:前売2500円 当日3000円 学生1500円(当日も同じ) 対象:中学生以上
問い合わせ☆チケット予約 uhz1969@gmail.com
その後、宝塚公演(9月1日)、東京公演(10月16日)と予定されています。「キャラメル」や「在日バイタルチェック」などきがんさんの公演の予定は「きむきがん ライブ☆公演 スケジュール」のHPをご覧ください。http://blog.livedoor.jp/kigang-kigang/
私は月刊イオの記事の中で次のように書きました。
――スッキは叫ぶ。「15歳に戻してくれ! それがでけへんのやったら、ちゃんと謝れ! 心の底からちゃんとした態度で謝れ! 二度とこんなことしません、ゆうて、世界中の前で、私らに膝をついて謝れ~! 私らの人生を返してくれ~!」――と被害者・スッキのセリフを紹介し、
――物語は、ハルモニが尊厳を取り戻す様子が描かれるが、性奴隷とされた被害者たちが本当に尊厳を取り戻すためには、日本が過去をすべて清算しなければならないはずだ。――
自分で書いた文章ですが、ずっと心の中に引っかかっています。日本が過去を清算したからといって、ハルモニたちは尊厳を取り戻せるのかと。
日本が被害者たちを15歳に戻すことは不可能です。犯した罪は取り返しがつかない。日本が過去をすべて清算しても、過去は消えません。
それほど、日本はひどいことをしたわけです。過去の清算、心からの謝罪、次世代への教育、補償などは最低限の責任だと言えます。しかし、それがなされていない。まったく逆のことをしている。被害者たちはそのことに憤りを感じ苦しんでいます。日本は、被害者たちに加害を続けています。
ハルモニたちが尊厳を取り戻すことと日本の過去清算は別の問題だと言えるでしょう。ハルモニたちの心の痛みを少しでもやわらげることにつながるのかもしれませんが。
在日1世の被害者の姿を描いた演劇を、在日3世の二人が演じます。二人には被害者ハルモニたちの心に寄り添い心の痛みを少しでも癒そうという思いがあるのではないでしょうか。
演劇「キャラメル」、これから日本各地で上演されると思います。ぜひご覧ください。
最後にお知らせです。「キャラメル」に出演している洪美玉さんは、東京演劇アンサンブルという劇団に所属しています。その東京演劇アンサンブルの本拠地である「ブレヒトの芝居小屋」が来年3月に閉じ移転することとなりました。劇団では、「劇団移転応援基金ならびにクラウドファンディングのお願い」(Http://www.tee.co.jp/?p=555)を行っています。「キャラメル」が上演されたのも「ブレヒトの芝居小屋」でした。私もこれまで何十回と足を運んだ小屋で愛着があります。移転は残念ですが、仕方がないようです。ご協力ください。(k)