大阪無償化裁判控訴審判決の日に接した言葉たち
広告
すでに先週金曜日から土曜日にかけて本ブログでもお伝えしたように、大阪朝鮮学校高校無償化裁判の控訴審で原告・朝鮮学園側に逆転敗訴の判決が下った。
当日は判決の言い渡しを法廷で傍聴し、その後の報告集会も取材した。この日に聞いた印象的な言葉の一部を紹介したい。
判決後の記者会見。原告側弁護団の丹羽雅雄弁護団長は、「朝鮮学校で学ぶ子どもの人権にかかる裁判であるにもかかわらず、裁判長はそのような視点を全く持っていなかった。著しく不当な判決だ」とのべた。
大阪朝鮮高級学校を2011年3月に卒業し、現在は東京大学大学院で学ぶ申泰革さんは、「朝鮮」に対する否定的なイメージが蔓延し、同胞の子どもたちが自身のルーツに否定的になりがちな日本社会の中で、朝鮮学校は「私たちが堂々と胸を張ることができる場所」だとその重要性を訴えた。
「地獄の底に突き落とされた気持ち。いくら国家権力が強大でも、当たり前の権利が認められるまで地面をはいつくばってでもたたかう」。大阪朝高生徒保護者である高己蓮さんの発言だ。
同日夕方に市内の会場で行われた報告集会。
大阪朝高の女子生徒が壇上に立ち、高裁判決に接しての思いを吐露した。
「私は今日の判決を聞いて深い憤りと悔しい気持ちでいっぱいになりました。12年間通ってきたウリハッキョが、民族教育が、在日朝鮮人という自分の存在が否定されたような気がしました。裁判を傍聴しながら、自分のことなのに何もできなかった無力さを感じました。これからも、いつ終わりが来るのかわからないたたかいが続くと思う。それでも私は勝利するその日まで決してあきらめません」
弁護団や学校関係者、支援者の大人たちに向けて、「私たちにごめんね、と謝らないでください」と言葉をかける彼女のその気遣いに心を打たれるとともに、生徒にそのようなことを言わせてしまった大人の一人として胸が痛くなった。(相)