朝鮮学校を弾圧する安倍政権糾弾国際宣言
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今日は金曜日。東京・虎ノ門の文部科学省前で朝鮮学校への就学支援金適用を求める「金曜行動」が行われる日だ。
ソウルの日本大使館前でも毎週金曜、同様の行動が開かれている。
東京無償化裁判控訴審判決(10月30日)が出た2日後となる11月2日の「金曜行動」には、韓国の「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」メンバーで構成された、「朝鮮学校差別反対! 高校無償化適用要求! 金曜行動11次訪問団」の40人が文科省前に集まり、「高裁敗訴」に涙を飲んだ生徒たちに大きな勇気を与えた。韓国のみならず、米国、ドイツなど海外からも支援者が集まった。
代表たちは先だって東京・永田町の衆議院第一議員会館で文科省、外務省、法務省、財務省、経産省代表に「朝鮮学校を弾圧する安倍政権糾弾国際宣言」に賛同した5462筆の署名を提出。宣言は、①植民地支配の謝罪、②対朝鮮敵対政策の撤廃と日本独自制裁の撤廃、③在日朝鮮人への弾圧の中止、④朝鮮学校への高校無償化制度への適用―を求めている。
席上、「市民の会」の共同代表で弁護士のチョン・テヒョさんは、2018年8月に国連人種差別撤廃委員会が日本政府に無償化差別の是正を再度、勧告したことをあげ、「差別禁止と平等は国際人権法の基本だ。日本政府は具体的で明確な措置を講じなくてはならない」と訴えた。米国・ロサンゼルスから来日した女性は、「私はアメリカで民族教育を受けられなかったが、昨年に朝鮮学校ツアーに始めて参加したとき、海外でもこのようなことが可能なのかと感じた。初めて見た自信と誇りに満ちた姿だった」と在日朝鮮人の民族教育を称えた。
印象深かったのは、大手新聞社の記者が「総聯系の朝鮮学校をなぜ支援するのか?」という趣旨の質問を投げた時。堰を切ったように、発言が続いた。
ある在米同胞は、「日本が植民地時代に、在日コリアンを強制的に連れてこなかったなら、日本でこのようなことは起きなかった。無償化差別は反人権的な仕打ちだ。撤回を求める」と語り、韓国の女性詩人は、「一人の子どもを育てるのに、一つの村が必要だという言葉がある。差別と弾圧は子どもたちに傷を与えている。祖国への修学旅行で買ったお土産を没収するという野蛮な行為に体が震えた。日本には(朝鮮半島)分断の根本的な責任がある。平和と平等のために率先して取り組んで欲しい」と訴えた。
また、ドイツから来日した男性は、「(高校無償化制度からの朝鮮学校排除は)基本的な民主主義に反すると考える。どの国であっても自国の歴史に対する責任を取るべきだ。しかし日本はそうではないようだ」と再考を求めた。
この日、関係省庁から要望への返事はとくになく、思いを聞いてもらうにとどまったが、職員たちは彼らの言葉に「何か」を感じ取ってくれたはずだ。
16時からの金曜行動は、世界各国から集まった大応援団で、朝大生たちや保護者のオモニたちは、大きな力を得ていた。裁判闘争は「法廷だけにあらず」と力を得た取材だった。(瑛)