〝平壌市民が歓迎してくれたように” ーソウル、釜山で首脳会談歓迎委員会が続々
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今、朝鮮半島の南では「9月平壌共同宣言」に記された金正恩委員長のソウル訪問を一日も早く実現させようと、市民たちがさまざまな歓迎プロジェクトを立ち上げている。
その中心にいるのがウリキョレハナトェギ運動本部(우리겨레하나되기운동본부、略称:キョレハナ、2004年創立)。
ユニークなイベント企画やグッズ作成でその輪を広げている。今回、イオ編集部はソウルと釜山の現場で、市民たちを取材。地方都市では釜山が盛りあがっていると聞き12月3日、現地へ向かった。釜山は文在寅大統領の出身地だ。
ソウル駅からKTXに乗り2時間強。向かった先は釜山の一番南側に位置する影島区。釜山駅から影島大橋を渡り、南北首脳会談成就・歓迎影島区準備委員会の発足式が開かれているという区庁舎の会議室へ。入口には「9月平壌共同宣言」の記念切手や朝鮮半島を描いたバッジが飾ってある。
同準備委員会は、保守・進歩といった立場を越えて北南首脳会談開催を支持し、その成功を願う政党、市民社会、宗教団体をつなげるために約1ヵ月の準備期間を経て発足。「ヨンドから統一を、首脳会談を願う心を表現したい。平壌市民たちが歓迎してくれたように、金委員長を迎えたい」と語るのは準備委員会執行委員長で釜山キョレハナのリ・ボヨンさん(43)。「12万人のすべての区民にこのプロジェクトを伝えることを目指している」との言葉からその意気込みが感じられた。
この日に向けて釜山市や市内の自治体、各政党、女性組合、教組、保護者団体などに協力を要請し、結果16の団体がこの事業に参加することに。会議には区長や区議会議員ら約30人が参加。その姿に目的が広く共有されたことが伝わってくる。
会議ではソウル首脳会談の「その日」に向けたプロジェクトが次々と発表された。
南北首脳会談歓迎1000人宣言を発表しよう/会談の日には、影島大橋からヨンソン消防署までの区間を統一旗で飾り、沿道に300人を集めよう/首脳会談歓迎団を募集し、前夜祭や歓迎イベントを開こう/ソウルにも代表を送ろう…次々と発表されるプログラム。参加者からは、「企業からもバスを出してもらえるよう広報しましょう」と積極的な提案がなされていた。
区議会議員のキム・ギタクさん(35)は、「ここは老人たちが多く住む保守的な地域だが、板門店と平壌での首脳会談後には統一を反対する人が本当に減った。ソウルでの首脳会談に市民たちも参加できるような雰囲気を作り、盛り上げていけば首脳会談の持つ意味を伝えられる。とにかく全国民の祝祭になるでしょう」。
「金委員長がソウルに実際に来られたら、南における반북의식(反北意識)は100%変わるでしょう」とリさん。1976年生まれのリさんは、自身も育つ過程で反共教育を受けてきた一人だという。「北の人々も私と同じ言葉を話すけれど、私たちとは『違う』と感じてきた。北の子どもたちが笑うことすら想像できなかった。板門店宣言が発表され、かの地に同じ同胞が暮らしていると思えるようになった。だからこそ、金委員長には必ず来ていただきたい」と目を輝かせる。翌4日からは区庁舎の2階で北南首脳会談の写真が展示されるという。
官民あげて知恵を絞り、行動する市民たち。一人ひとりの確かな歩みがあってこそ、「統一=平和」を勝ちとれるのだと胸が熱くなった。(瑛)