ドキュメンタリー映画「アイたちの学校」追加上映決定!
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ノンフィクション作家の高賛侑さんが制作したドキュメンタリー映画「アイの学校」が、大阪で話題だ。
大阪・十三の第七芸術劇場で1月12日に封切りし、18日までの1週間の上映予定だったが、立見席も一杯で入場できない人が続く盛況となったため、25日まで延長になり、2月2日から2週間の追加上映が決まった。
http://www.nanagei.com/movie/data/1296.html
この映画は、100年にわたる日本の民族教育弾圧史と朝鮮学校の現状を描いている。
最大の見所は、1948年の「4・24教育闘争」関連の映像だ。
GHQと日本政府は日本の植民地から解放され、自国の言葉と文化を教えようと在日朝鮮人が各地に建てた民族学校を弾圧した。弾圧に抵抗する闘いのなかで多くの同胞が投獄されたが、最大の悲劇は16歳の金太一青年が大阪府庁前で銃殺されたことだった。
金青年が犠牲になったとき、警官によって20発の銃弾が撃たれたという事実は衝撃だ。
ロバート・アイケルバーガー米第八軍司令官が残した日記から、かれが朝鮮人に対して殺意を持ち、死傷者を出すことで朝鮮人を威嚇することを狙っていたことが明かされる。
私が高賛侑さんを知ったのは、記者になりたての頃だった。資料室に並んでいた書籍「山河ヨ、我ヲ抱ケ―発掘・韓国現代史の群像〈上〉」(ハンギョレ新聞社、1993)の訳者が高さんだった。
月刊誌「ミレ」の編集長として、長らく活躍された高さんのもう一つの一面をこの本を通じて知り、その後、日本各地の外国人学校を紹介した本「国際化時代の民族教育」を読むにいたっては、いつかこのような本を作りたいという見本を見せていただいた。
高さんは、70歳にしてドキュメンタリー映画の制作にチャレンジされた。
映画のサブタイトルには、「100年の差別-その闘いの記憶」とある。高さんは、日本政府がいまだ差別を続けている愚かさとともに、差別に負けることなく立ち上がる同胞たちを力強く描いた。この闘いの結晶ともいえるのが、現在、民族学校に通う生徒たちだ。映画に登場する朝鮮サッカー国家代表のリ・ソンアさんやカン・ハナさん(いずれも大阪朝鮮高級学校)の語るハッキョへの思いが胸に染み入る。
今年は、第2次朝鮮学校閉鎖令が下されて70年を迎える。
日本政府は朝連を強制解散した約1ヵ月後の1949年10月19日、「学校閉鎖令(92校)」と改組令(245校)を出し、民族教育への大弾圧を加えた。この弾圧により、多くの同胞の子どもたちが日本学校への転校を余儀なくされた。
高さん自身も高校まで日本学校に通い、大学から民族教育を受けた経験を持つ。私は高さんの本や作品から、民族教育の機会に恵まれなかったかつての自分を見つめながら、この社会や歴史を俯瞰している「視点」を感じてきた。
民族教育への大弾圧によって万単位の同胞の子どもが日本学校で同化教育を強いられたことが、在日同胞社会にどれほどの傷を与えたのか-。
朝鮮人を殺すことを正当化せしめる米国や日本の「精神」はどこから来ていたのか-。映像が見せる歴史の事実は、朝鮮人蔑視の根深さをあぶりだす。
「アイの学校」は、各地で追加上映が続々と決まっている。未見の方にはぜひ見ていただきたい。(瑛)
■大阪・第七芸術劇場の上映時間
◎1月25日(金)まで
◎2月2日(土)~8日(金) 10:00
◎2月9日(土)~15日(金) 15:50
※2月16日(土)以降は未定。
■その他
◇東京:2月20日(水)19時上映
会場:連合会館
連絡先/☎090-6947-3845(田中)e-mail: aitachi0220@gmail.com
◇奈良:2月17日(日) 奈良朝鮮学園講堂
奈良朝鮮幼稚班学芸会 13:00開場、13:30開演
14:45 映画 「アイたちの学校」上映
連絡先:奈良朝鮮学園TEL0744-23-1471