李健太、プロデビュー戦で1RTKO勝ち
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大阪朝鮮高級学校時代に高校ボクシング6冠を果たし、公式戦62連勝の日本記録を打ちたてた李健太選手(22、帝拳ジム所属)。
2月2日に後楽園ホールで行われた李選手のプロデビュー戦を取材してきました。
サウスポーの李選手は、スーパーライト級6回戦でタイのアピシット・ナムコー(タイ・ライト級8位)選手と対戦。アマチュア戦績102勝10敗の戦績を誇る李選手は、昨年9月にB級プロテストを合格したため6回戦スタートとなります(通常は4回戦のC級プロテストを受けます)。
李選手は立ち上がりから素早い右ジャブを繰り出し、相手との間合いを計ります。李選手といえば、足を使った「アウトボクシング」が特徴。この日も細かいステップやスウェーを駆使し、相手に「触らせないボクシング」を展開しました。
右ジャブ、右フックを徹底して繰り出し試合のペースを掴むと、李選手は1ラウンド残り15秒で左ストレートを解禁。
左と右のコンビネーションで前に出ると、残り4秒に放った左ストレートが相手にヒットしダウンを奪います。
カウントが始まりますが、レフェリーは続行不可能だと判断し、途中でカウントをストップ。李選手は、ほとんどパンチを受けることなく、圧倒的なボクシングでプロデビュー戦を勝利で飾りました。これには李選手も「相手のパンチがかすったぐらいですかね」と試合後に話してくれました。
「1ラウンド目は経験を積むため、右一本で勝負しました。ダウンを奪った左ストレートの感触はばっちりでした」と試合を振り返る李選手。「やっとプロとしてスタートできました」と安堵の表情を浮かべていました。
李選手が目標とするボクサーは、「神の左」の異名をもつ、同じサウスポーの元WBC世界バンタム級世界王者・山中慎介さん。その山中さんもデビュー戦を見守りました。
「序盤から丁寧に戦っていた。李選手の階級は世界的にもレベルが高いので、パワー、体ともっとプロ仕様に鍛えていかなければならない。すごく雰囲気のある選手なので楽しみです」と山中さんも李選手の今後に期待を寄せます。
「将来は日本だけでなく、世界で戦えるボクサーになり誰からも応援される魅力的なボクサーになりたい」と話す李選手。プロボクサーとして最高のスタートを切りました。(全)
※写真提供=朝鮮新報:盧琴順