黙認は差別につながる― 埼玉朝鮮学校への補助金支給を求め、浦和で「2.22集会」
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「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」は、文部科学省が就学支援金の対象から朝鮮学校を外すことを目的として無償化法の省令改悪を行った(13年2月20日)2月を「全国行動月間」と定め、毎年日本各地に連帯行動を求めています。
この連帯行動の一環として、埼玉でも2月22日に、浦和コミュニティーセンター第15集会室で、「埼玉朝鮮学校への補助金支給を求める2.22集会」が行われました。
2011年3月、埼玉県は2010年度の埼玉朝鮮初中級学校への補助金支給の停止を決めました。補助金不支給は現在も続いており、埼玉県では、「外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉」「誰もが共に生きる埼玉県を目指し、埼玉朝鮮学校への補助金支給を求める有志の会」など日本市民による支援団体、同校保護者や同胞たちが補助金支給を求める要請活動を行っています。
集会では、まず、主催者を代表して斎藤紀代美さん(外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉)があいさつしました。斎藤さんは朝鮮学校が設立された歴史、埼玉朝鮮学校の補助金不支給をめぐる経緯について話しながら、「黙認は、差別につながります。朝鮮学校の歴史を知り、理解を深めることで知事に声を届けましょう」と支援を呼びかけました。
続いて、東京大学大学院の高橋哲哉教授による講演「民族差別の根源を問う」が行われました。
高橋教授は2012年に発足した安倍政権の長期化は、民主主義と自由、平和、人権保障を求める流れに大きな後退をもたらしたと指摘しました。また、「拉致」「総聯との関係」といった政治的理由での朝鮮学校排除は人権侵害、権利侵害に値するとのべ、「この現状をこれ以上放置することはできない。多くの日本市民が現状について知らず、無関心だ。可能な限り、この状況を日本社会に周知させて変化をもたらさなければならない」と話しました。
高橋さんは「民族差別の根源は、日本の植民地主義にある。日本は過去の植民地主義を克服できず今日に至る。朝鮮学校に対する日本政府の対応は植民地主義の継続にほかならない」としながら、「日本社会が朝鮮学校を正しく理解し、植民地主義を背景とした朝鮮学校の差別是正を求めて努力しましょう」と呼びかけました。
集会には、保護者、地域同胞、日本市民など110人を超える人たちが参加しました。高橋教授の講演は分かりやすい内容でした。なによりも、集会では埼玉補助金問題は、日本社会の問題であるととらえ、発言、質疑応答、支援を呼びかける日本市民の姿が印象的でした。
集会に先立って同ネット主催の「埼玉朝鮮学校補助金支給」を求めるアクション・街頭宣伝が埼玉県庁の前で行われました。(全)