趣味は詩を詠むこと―飛込み朝鮮選手たちを取材して
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3月1~3日にかけて行われた「FINA(国際水泳連盟)ダイビングワールドシリーズ2019・相模原大会」に参加するため、訪日した朝鮮飛込み選手団。3競技に出場し、1つの銀メダルを獲得しました。
前回のブログでは、おもに競技結果についてお知らせしましたが、今日のブログでは大会期間に選手たちから聞いた話を紹介したいと思います。
(写真左からキム・クァンフィ、キム・ミレ、キム・アリム選手、大会期間朝鮮選手団に帯同した神奈川の朝青専従活動家)
まず、朝鮮選手団最年少のキム・アリム選手(15)。今大会では女子シンクロ10m、混合シンクロ10mに出場しました。
アリム選手が水泳・飛込みを始めたのは9歳の頃。友達と水泳場で遊んでいると、その場にいた飛込み経験者の目に留まりスカウトされたといいます。競技経験わずか6年で世界大会に出場するレベルまで成長したアリム選手の潜在能力の高さと、それを見抜いたスカウトの慧眼には驚きです。
アリム選手の趣味は詩を詠むこと。また、休日には友達とお出かけしたり、遊戯場で遊んだりしているといいます。
続いて、朝鮮の功勲体育人であるキム・ミレ選手(17歳)。今大会では、アリム選手と女子シンクロに出場し銀メダル、個人10mにも出場しました。ミレ選手は昨年のダイビングワールドシリーズ・富士大会に続き、2度目の訪日です。
ミレ選手を取材して印象に残った言葉があります。
「共和国旗を振りながら応援する姿に力を得たし、涙も出てきた。私の勇気が足らず、期待に応えることができなかった」
日本での競技は2度目ということもあり、プレッシャーや責任感は他の選手たち以上だったのかもしれません。
大会期間、ミレ選手の力の源となったのが開催地である神奈川県の女性同盟中北支部のオモニたちが差し入れたキムチだったといいます。ミレ選手が平壌で一番すきな料理は「平壌冷麺」だといいます。
最後に、ヒョン・イルミョン選手(24)。混合シンクロに出場したイルミョン選手も、昨年の富士大会に続き2度目の訪日です。
大会最終日、ハードな体幹、飛込みトレーニングを終えた選手たち。宿舎に戻るとイルミョン選手は疲れ果てて部屋で休んでいたため、女子選手たちにイルミョン選手について聞いてみました。
一言で「トンセンたち(キム・ミレ、キム・クァンフィ、キム・アリム選手)をこよなく愛している」といいます。
大会期間も、食事をはじめ何かと気にかけてくれたとか。兄のいないミレ、クァンヒ選手にとっては実の兄のようだ話していました。
競技では真剣な表情でたたかう選手たちでしたが、歓送会や同胞たちの交流、宿舎では違った一面をみせてくれました。
(全)