繰り返される「平成最後の…」
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先日、テレビの健康番組で認知症について放送していた。その中で病院での認知症の問診についてもやっていたのだが、その問診の内容が興味深かった。
なぜ興味深かったのかと言うと、4年前にクモ膜下出血で倒れた後、意識を取り戻しリハビリを受けていた時に行っていた問診と同じだったからだ。問診では毎回、簡単な質問に答えるということが行われた。
・今日は何年何月何日ですか?
・ここはどこですか?
・90から7をどんどん引いていってください。
こんな質問だった。
倒れて意識を失っていた期間は2ヵ月で、その間ずっと夢の世界をさまよい、意識が戻ってしばらくは現実と夢の世界が頭の中でごっちゃになっていた。そのことはブログでも書いている。
上記の質問、最初はほとんど答えることができなかった。認知症と同じ症状に陥っていたということなのだろう。一番困った質問が、今日は何年何月何日ですか?というもので、先生は、「いま平成何年ですか?」と毎回聞いてくる。「元号なんか、使いません」と心の中でつぶやくことしかできなかった。今も「平成何年」に入院していたのか、自分の息子が「平成何年」に生まれたのか、イオが「平成何年」に創刊されたのかわからない。
日本のマスコミから「平成最後の…」というフレーズがうっとうしいほど流れてくる。「平成最後の紅白」「平成最後のお正月」「平成最後の花見」「平成最後のセンバツ」…。こんなのもあった。「平成最後のクリスマス」「平成最後のバレンタイン」。
3月に入ってからは、次の元号が何になるのかをいろんな人間が予想する様子をテレビで繰り返し流している。これらの騒ぎに、うかれるか、黙ってしまうか、どちらかしかないのが今の日本社会だ。
これから「○○最初の…」というフレーズが続くのかと思うと、本当にうんざりしてしまう。(k)