「性の多様性ってなんだろう」、性差別撤廃部会が埼玉初中で出張授業
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6月29日、埼玉朝鮮初中級学校(埼玉県さいたま市)で在日本朝鮮人人権協会・性差別撤廃部会による人権出張授業が行われました。
中級部生徒たちを対象にした授業のテーマは、「性の多様性について考えてみよう」。
授業では、朝鮮学校の高校無償化制度からの排除をはじめ、「民族」理由とした差別に苦しむ朝鮮学校の生徒たちのように、LGBT(「レズビアン(女性同性愛者)」、「ゲイ(男性同性愛者)」、両性を性愛の対象とする「バイセクシュアル」、こころと体の性が一致しない「トランスジェンダー」)のようなセクシュアル・マイノリティは「性」を理由とした差別に苦しんでいることが話されました。
中級部2年生の講師を務めた弁護士の康仙華さんは、「民族差別を受けている私たちが、一方で他の人たちを差別していないか」と問いかけながら、「外国人、セクシュアル・マイノリティ、障害者、高齢者、子ども、みんながその人らしく生きられ、『多様性』を尊重する社会こそが、仲睦まじく豊かで力強い社会だ」とのべ、お互いを尊重しようと呼びかけました。
中級部2年生の女子生徒は、「街中でセクシャル・マイノリティーや障害者を見かけると『普通じゃない』と思っている自分がいた」と吐露しながら、「授業を受けてLGBTに対する理解が深まった。『普通』って何だろう、『多様性』って何だろうと考えるきっかけになりました」と感想を話していました。
中級部3年生の男子生徒も、「これまでは自分のなかでセクシャル・マイノリティに対してどこか拒否感があったが、授業を受けてみんな身近な存在なんだと気づいた。見た目や『性的対象』で判断するのではなく、その人自身の中身、心をみなければならないと思った」と話しました。
部会では今後も、日本各地の朝鮮学校で様々なテーマの出張授業を行い、各学校での人権教育に尽力したいとしています。(全)