朝鮮学校差別は、オリンピック精神に沿いますか?~明日、東京府中で2つのお話
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今朝の朝刊には、東京オリンピックの観戦チケットの応募が殺到したので、「来月追加の抽選をする」という報道が流れていた。
しかし、東京が五輪の開催都市に決まって以来、この都市が「オリンピックをするに値するのか?」かという思いは消えない。
東京都は、無償化差別が始まった2010年、朝鮮学校への補助金をまっさきに止めたし、ヘイトスピーチが止む気配はない。当時の都知事は石原慎太郎氏。個人ではなく、公人が差別したことの弊害を世界はどれほどわかっているのだろうか。
1ヵ月前のことだが、「朝鮮学校を支援する全国ネットワーク」(以下、全国ネット)が国際オリンピック委員会(IOC)委員95人全員に対し、日本政府および東京都の朝鮮学校に対する差別問題に対する関心と懸念表明を求める文書を送付した(電子メールで6月7日)。
このメールでは、日本の朝鮮植民地時のベルリン五輪で、「日本人」として優勝したマラソンの孫基禎選手に対し、当時の日本が朝鮮独立運動が勢いづくことを恐れて彼の祝賀会を一切禁じことや、関東大震災における朝鮮人虐殺、朝鮮学校生徒への暴言、暴行や近年の日本社会で起きたヘイトスピーチについて言及されている。
そして、東京都が2010年から朝鮮学校に対する補助金を支給していないことや高校無償化制度から朝鮮学校が除外されている問題に対し、国連・人種差別撤廃委員会から是正勧告が出ていると指摘。「オリンピックの開催が…朝鮮学校に対する差別をなくす方向に向かう契機となることを期待します。国際オリンピック委員会の委員たちが、この状況を理解の上、東京と日本の朝鮮学校に対する差別的な政策への懸念を表明して」と訴えた。
全国ネットの藤本泰成事務局長(63)は、「こういう差別がある中で、胸を張って東京五輪を開催できるのだろうか。東京には朝鮮からも選手団が来るのに、国内では朝鮮学校の子どもたちは差別されることがあってはならない。委員にこの現状を知ってもらい、差別をやめないと五輪の価値が下がってしまうと発言してもらいたい」と話した。
要旨は朝鮮新報に掲載されている。http://chosonsinbo.com/jp/2019/06/khj-7/
明日6日14時から、東京府中で田中宏・一橋大学名誉教授が、「文科省さん、東京都さん、朝鮮学校差別はオリンピック精神に沿いますか?」とのテーマで話をする。
また、無償化差別を一線で闘っている長谷川和男さんの「朝鮮学校を歩いて」のお話も。主催は、ウリの会とチマチョゴリ友の会。関心のある方はぜひ。(瑛)