広島無償化裁判控訴審第6回口頭弁論―証人尋問の期日決まる、裁判はいよいよヤマ場へ
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朝鮮学校を高校無償化・就学支援金支給制度の適用対象外としたのは違法だとして、広島朝鮮学園と広島朝鮮初中高級学校高級部の卒業生らが国に対して処分取り消しなどを求めた裁判(広島無償化裁判)の控訴審第6回口頭弁論が7月23日、広島高等裁判所304号法廷で行われた。
この日も、原告である元生徒と朝鮮学園の関係者、地域同胞、日本人支援者、そして広島朝鮮初中高級学校高級部の在校生らが傍聴に訪れた。
今回、控訴人側(広島朝鮮学園と広島朝鮮初中高級学校の卒業生ら)は金英雄・広島初中高校長と原告である元生徒の保護者の陳述書を裁判所に提出した。
法廷では、今年1月に公開された映画「アイたちの学校」(高賛侑監督)を法廷で上映してもらうよう検証申し立てを行った。被控訴人(国)側は上映不要と回答し、裁判所側は判断を留保した。
またこの日の口頭弁論では、原告側が一貫して求めてきた証人尋問の期日が決まった。
証人尋問は2回にわたって行われる。10月10日13時30分から金英雄・広島朝鮮初中高級学校校長に対する尋問が、11月20日13時30分から原告の元生徒と保護者に対する尋問がそれぞれ行われる。ちなみに、一審では証人尋問は行われなかった。
口頭弁論終了後、広島弁護士会館で報告集会が開かれた。
弁護団が今回の期日に関する報告を行った。
続いて、「朝鮮学校を支援する山口県ネットワーク」の内岡貞雄さん、徳島県教職員組合襲撃事件裁判の原告・冨田真由美さん、・静岡大学准教授の山本崇記さん、広島出身の朝鮮大学校の学生らが発言した。
集会を締めくくった金英雄校長は、「法廷で朝鮮学校の正しさをしっかり訴えていきたい」と証人尋問に向けた意気込みを語った。同時に、毎月19日に行っている街頭宣伝活動を今後も続けて学校側の主張を広島市民に訴えながら、支援の輪を全国に広げていきたいとのべた。
原告側はこの間、証人尋問を実現させようとがんばってきた。次回以降、控訴審はいよいよヤマ場を迎える。(相)