乳歯と朝鮮学校
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今春1年生になった子どもの乳歯が、最近初めて抜けた。
グラグラする、と言い始めて、1か月後のことだ。
「歯がグラグラする」と言いにきたが、
どうすればいいかわからず、歯医者に行く時間も取れず放置していた。
ある日、ともだちとぶつかってしまい、
少しグラグラしていた歯は、大きくグラグラし、
最後は家で自分でがんばって舌で押して、ようやく抜けた。
「抜けてなんだかスッキリ!
むしろ●●トンム、ありがとう!」と
家で満足そうだった。
そして抜けた歯を綺麗にぬぐって本人に見せると、
「これ、ソンセンニム(先生)にもみせたい!」と言ってきた。
次の日は1泊遠足だったので、
さすがに抜けた歯を持たせるわけにもいかないし、
抜けた歯をみせられるソンセンニムも困るだろうと思い、
「じゃ、授業参観の日にオンマが持っていくから」と説き伏せた。
しかし、抜けた歯をソンセンニムにみせたいなんて、
どんだけ担任の先生を信頼しているのだろうか、と思った。
と同時に、
きっと学校でもグラグラしていた子どもの歯を
心配そうにみてくれていたのではなかろうか。
心配そうにみてくれていたのではなかろうか。
そして、子どもの口から自らその言葉がでるのが、
朝鮮学校がウリハッキョ(わたしたちの学校)たる所以な気がしてならなかった。
だから1年生という子どもにとっても親にとっても大変であり大事な時期からウリハッキョに入れたいと思うのだ。
子どもの大半の時間を過ごす学校生活、
信頼関係なくして、成り立たない。
その環境を作ってくれている先生方に、改めて感謝をし、
抜けた歯をそっと大事に包んだ。(愛)