160人が大阪朝高を体感!
広告
大阪朝鮮高級学校の公開授業が11月9日、同校で行われ、日本の市民、朝鮮学校支援者、議員など約160人が参加した。公開授業のテーマは「朝高体験!」。
ポスターでは、“お会いしましょう! お話しましょう! 分かり合いましょう!”と呼びかけた。
受付開始の9時半、大阪朝高ロビーにはすでに老若男女たくさんの人が。様子を見ているといくつかのグループに分かれて動き始めた。引率しているのはオモニたちだ。
廊下や教室内にある掲示物、授業の内容など、朝鮮語を日本語に訳しながら解説するオモニたち。
朝鮮学校で使われている教科書も展示され、参加者たちは立ち止まって興味深げにページを繰っていた。朝鮮学校に初めて来た人も多く、一つひとつを新鮮そうに、楽しそうに眺めている表情が印象的だった。
授業参観では大阪朝高だけでなく、現在同じ校舎で学ぶ東大阪朝鮮中級学校の教室も開放された。授業でのやりとりに笑顔が溢れる場面、休み時間に参加者と生徒がお喋りを交わす場面もあった。
授業参観が終わると、場所を移してリレートークが行われた。大阪朝高の尹誠進校長、同校オモニ会の高己蓮会長、そして高級部3年生の金紗希さんが登壇。尹校長は学校の理念や取り組みについて話しながら、朝鮮学校は民族性を育む場所だということを強調した。
高会長は、自分が何者かを話すことができるのは朝鮮学校で学んだからと話した。最後に金さんは今年、修学旅行で朝鮮民主主義人民共和国へ行ったことをのべながら、自分たち自身も日本社会に蔓延する「北朝鮮」のイメージに影響されていたと話した。しかし、直接触れた朝鮮のあたたかさをまっすぐな言葉で語った。朝鮮学校での学びの楽しさ、尊さが素直に伝わってきた。
民族器楽、男女混声の歌、朝鮮舞踊、吹奏楽など生徒たちが出演したミニコンサートでは、演目ごとに大きな拍手が上がった。
会場の後方にはテーブルとお弁当が置かれ、交流会が催された。基本的に自由退席だったものの、こちらもかなり多くの人が参加を希望。全員分のキムパプ、肉のスープが用意された。この日のために、オモニたちは前日から仕込みをして300本のキムパプを巻き上げたそうだ。
キムパプが入っているパックの上には小さなカードが。参加者たちを歓迎する気持ちを込めて、一つひとつ朝高生による手書きのメッセージが添えられていたのだ。
美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、質疑応答や感想をのべる時間も設けられた。一般市民のほか、大阪無償化裁判に携わっている弁護士たちや元・市議会議員、現役議員、日本の高校の校長先生も発言。それぞれに自身が感じた朝鮮学校の教育のよさ、生徒たちの姿について言及した。
杖をついてゆっくりと見学した島晃さん(元・吹田市議会議員)は、朝鮮と日本の国家的な壁についてや、バリアフリー化されていない校舎の状況について言及した上で、「今後も粘り強い取り組みが必要。自分も頑張っていきたい」と話した。
大阪府議会の山田けんた議員は、「自分は青年海外協力隊出身。アフリカに行った経験から、リレートークで生徒さんが言っていた朝鮮の『イメージ』についてよく理解できた。日本での海外の姿はメディアが作っていることが多く、伝えられている姿も違う」と話し、朝鮮学校については「言語教育もしっかりしていて、生徒たちにとって学校の必要性を感じた」とのべた。
「スローガンは“発信”です」と話すのは、オモニ会の高己蓮会長。裁判という闘い方がひとまず終わりに近いなか、次にすべきは、「見えないこと」にされている朝鮮学校を、「見える存在」にすることだと話す。そのような思いから、昨年10月に公開授業を提案し、無償化連絡会・大阪の協力も得て実現した。
「今までの運動も、日本の人たちが一緒にいてくれて実現できたものがたくさんある。今回、やっぱりやってみてよかった。私たちがどんどん発信していかないと埋もれてしまう」(高さん)。感想文を少し見せてもらうと、どれも長文が書き込まれていた。(理)
今日福岡でも、高校無償化実現・幼保無償化実現を訴える街頭行動をやりました。
「スローガンは“発信”です」と話すのは、オモニ会の高己蓮会長。裁判という闘い方がひとまず終わりに近いなか、次にすべきは、「見えないこと」にされている朝鮮学校を、「見える存在」にすることだと話す。ほんとにそうだと思います。共に頑張りましょう!