【幼保無償化】自民党・馳浩議員らが朝鮮学校を視察
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衆議院・馳浩議員をはじめとする自民党の国会議員ら数名が12月11日、幼保無償化問題と関連して東京朝鮮第1初中級学校を視察した。国会議員が視察に来るのは立憲民主党の初鹿明博、尾辻かな子の両衆議院議員に続き2度目。
11月27日には、初鹿議員が衆議院文部科学委員会で幼保無償化制度から朝鮮幼稚園をはじめとする施設が外されていることに言及しながら具体的な支援策について質問。これに対して萩生田光一文科大臣は「法律の枠外となる施設についても支援を届けられるよう、関係府省と連携しながら年内を目途に支援のあり方を検討している」などと答弁した。
そのなかで今回の、与党議員らによる視察が行われた。 ※文科委員会の詳細の内容はこのブログの最下にあります(イオ1月号にも掲載)
予定時刻よりも早く到着した馳議員は、はじめに初中級部の授業風景を見学。その後、他の議員と合流し、学校関係者との顔合わせに参加した。
はじめに、東京第1付属幼稚班の韓永心主任が朝鮮幼稚園について説明した。議員らは、幼稚園の歴史、教員たちの資格、幼児の数、地域との交流といったことについて積極的に質問。韓主任や同校の高完植校長が答えた。韓主任は、制度からの除外が明らかになった以降、目に見えて園児の数が減っていると懸念を伝えた。
顔合わせのあと、一同は幼稚班を見学。幼児たちがかわいらしい歌を披露し、議員たちの表情がほころぶ場面もあった。
同校幼稚班の保護者オモニたちも到着。懇談の場では、それぞれに思いをのべた。
「本当なら制度を始める前に朝鮮幼稚園を見てもらって、認めてほしかった。教育のことは、政治をとっぱらって考えてほしい」。金純伊さんは素直な思いを話した。
東京第1出身の尹明華さんは、「日本の大学、会社に入ったが“何人だから”と区別されることがなかった。でも、こうして政治が一歩入ってくると一気に世界が閉ざされてしまう。学ぶ機会を区切ってほしくない」と訴えた。
今後は各朝鮮学校ごとに地元の自治体へ積極的に現場を知ってもらうための働きかけが必要だという認識が改めて共有された。(理)
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自治体に丸投げ? 各種学校への適用、判断示さず
/初鹿衆議院議員が文科委で質問
11月27日、衆議院文部科学委員会で初鹿明博・衆議院議員(立憲民主党)は、幼保無償化から朝鮮幼稚園をはじめとする幼稚園類似施設が対象から外されていることと関連し萩生田光一文部科学大臣に質問した。
初鹿議員は、文科省が幼稚園類似施設について自治体が助成制度を設けた場合、自治体への補助制度を設けると言明してきたにも関わらず、その方針や時期が定まらない点について、「いつ具体的な内容が明らかになるのか」と聞いた。
萩生田文科大臣は、「幼稚園類似施設については、法令上の定めや基準はなく、多種多様なものが存在しているが、各地域に固有のさまざまな歴史的な経緯を経て、現在も地域や保護者のニーズに応え重要な役割を果たしている」としながら、「無償化の枠外となる施設についても支援を届けられるよう、関係府省と連携しながら年内を目途に支援のあり方を検討している」と答えた。
また、初鹿議員が、「自治体が認めれば各種学校である外国人学校も含むということか」と問いただすと、「地元としてかけがえのない施設かどうかという判断は国は直接できない。首長の皆さんに判断いただく。ご指摘の園については全国でだいたい200数十を確認しているので、(外国人学校幼児教育施設は)その中に多分包含されていると思っている」と明言を避けた。質問を通じて、年内にガイドラインが出ることは確認されたものの、外国人学校幼児教育施設を支援の対象にするかどうかについては、判断が示されなかった。
【写真説明】質問する初鹿衆議院議員(上)と返答する萩生田文科相(下)※衆議院インターネット審議中継公式HPより