「大山に戻ってきた」—東京朝鮮第3初級学校の新校舎に初登校
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東京朝鮮第3初級学校の新校舎が、板橋区大山にある旧校舎の跡地に建った。新校舎建設期間中、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の仮校舎で学校生活を送っていた在校生たちが1月27日、新校舎に初登校。教職員に児童・生徒の保護者、新校舎建設委員会のメンバー、学校関係者らも参加しての「帰校式」が行われた。
テープカットのセレモニーの後、子どもたちは担任教員の案内のもと、新校舎の内部を見て回った。真新しい設備の数々に興奮を抑えきれず、テンション高く歓声を上げる姿に、取材する側も自然と笑みがこぼれ、ほっこりとした気分になった。
1階の正面玄関を入ると、目の前に広がるのは吹き抜けで開放感のあるつくりの屋内広場。
2階には1年クラスから6年クラスまでの教室が並ぶ。コンパクトなつくりの教室群を広々としたワークスペースがつなぐことで、こどもたちがクラスの垣根を越えて触れ合えるようになっている。
音楽室、理科室、読書スペース、倉庫、多目的室、教員室、そして屋上には人工芝の運動場。
校舎の周辺には緑化スペースや大小さまざまな広場が配置された。屋根も特徴的な形をしていて、遠くからでも目立つ。
東京朝鮮第3初級学校は、敷地面積でいえば日本全国各地にある朝鮮学校の中でも最も狭い部類に属する学校だと思うが、その狭い敷地をフルに使った設計が印象的だった。
2018年8月、新校舎建設委員会が発足し、建設がスタート。地域同胞コミュニティを中心に新校舎建設のための寄金運動が展開された。
「学校をどのような形で残していくべきなのか、多くの方々が真剣に考え、この校舎を建てるためにお金や智慧、力を出し合いました。みなさんはそのことを決して忘れないでください」。あいさつに立った新校舎建設委員会の李根俊委員長が子どもたちに語りかけた。
「新校舎の建設はゴールではなく、新たな始まり」。そんな言葉が多く聞かれた帰校式の場だった。
新校舎の竣工式は4月26日に予定されている。
新校舎の一角には、最近SNSでも大いに話題となった、十条駅の駅員から東京朝鮮第3初級学校の児童・生徒たちに贈られたポスターのコピーも貼り付けてあった。(相)