実習で担当した生徒の卒業式に参加して
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昨日、各地の朝鮮高校で卒業式が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響から実施されるのか不安だったが、SNSを見ていると無事、各地で卒業生たちの門出を祝うことができたようだ。
少しの間ではあるが、東京朝鮮中高級学校に立ち寄って、卒業式に顔を出した。
母校でもないハッキョの卒業式になぜ?と思うかもしれない。私が大学4年生の頃に教育実習で担当した生徒たちがついに卒業を迎えたからである。
正直、大学生の頃に実習先が同校と聞いたときは少し残念だった。
「生徒たちはクールで実習の先生にはあまり関心がないよ」「実習生には冷たいよ」といった話を先輩や同校出身の同級生から頻繁に聞いていたからだ。
しかし、実際に実習を終えてみると聞いていた噂とは裏腹に、生徒たちはあたたかく、とても懐っこかった。実習は、自分の人生の中でも素晴らしい経験だった。
大学卒業後も職業柄、金曜行動、サッカーの試合など、都内各地の行事で担当した生徒たちとは頻繁に顔を合わせた。そのたびに「ソンセンニム~」「ぎっちょん(実習時の私の愛称)」と呼ばれて、生徒たちの近況を聞いていたものだ。
出会ったときは高1だったが、早くもかれ、かのじょらは高校卒業を迎えた。朝鮮大学校に進学する生徒、夢の実現に向けて専門学校に通う生徒など、それぞれの進路を聞きながら、短い期間ではあったが、この子たちの前で教壇に立てたことが誇らしく思えた。
朝高で会えなくなるのは少しばかり寂しいが、卒業式で泣きじゃくりながら、「これからも頑張ります!」と話す生徒の姿に元気をもらった。
卒業生のみなさん、卒業おめでとう!(全)