さいたま市、マスク配布対象から朝鮮幼稚園を除外
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新型コロナウイルスの感染拡大の中、さいたま市は9日から市内の幼稚園、保育園などの職員に対し、市のマスク配布を始めたが、その対象から埼玉朝鮮幼稚園が対象外となった。それに対し昨日の11日午後、在日本朝鮮人人権協会の金奉吉会長、埼玉朝鮮幼稚園の朴洋子園長らがさいたま市役所を訪れ抗議行動を行った。
そのことを、朝鮮新報をはじめ日本のマスコミや韓国の聯合ニュースなどがネットで伝えている。
●朝鮮新報「さいたま市、備蓄用マスクの配布対象から朝鮮幼稚園を除外/関係者たちが抗議」
https://www.chosonsinbo.com/jp/2020/03/hj200311-1/
●共同通信「マスク配布、朝鮮学校を除外 さいたま市、再考を表明」
https://this.kiji.is/610459858632983649?c=39550187727945729
●朝日新聞「朝鮮学校の幼稚園、マスク配布対象外に さいたま市」
https://www.asahi.com/articles/ASN3C7RH3N3CUTNB00C.html
●聨合ニュース「일본 사이타마市, 마스크 배포 대상서 조선학교 제외 논란」
https://www.yna.co.kr/view/AKR20200311201800073?fbclid=IwAR1d393Xa-hPZyFm1IAY7s0-dKYKFzU9Vya1VjusNeom9Hxjz0-ZuPmQ0og
経緯などについては、各報道を読んでもらえればよいが、朝鮮学校に対して何度も繰り返されてきた差別、弾圧がまた起こったわけで、決して許されるものではない。
共同通信は、「市職員が幼稚部に配布しないと10日説明した際に、配ったマスクが「転売されるかもしれない」との趣旨の発言をしたことも分かり、担当の市幼児未来部幹部が11日、幼稚部の朴洋子園長らに「不適切だった」と認めて謝罪した」と報道している。
「転売されるかもしれない」という言葉、そういう認識がどれだけ破廉恥なものなのか。会議で朝鮮学校に配布しないことを決めたときそこに参加していた職員たちは何も批判の声をあげなかったのだろうか。さいたま市は朝鮮学校の子どもたちの生命の危機に何の関心もなく、何の対策も取らないということを明らかにしたことになる。
新型コロナウイルスの感染が拡大され、世界も日本も大きな危機・混乱に陥っている。東日本大震災などのときもそうだが、危機・混乱の中で人々の本性が現れる、地金が出るものだ。ボランティア活動に励んだり物資を分かち合う人がいる反面、混乱に乗じて詐欺を働く者や高い値段で売りつける者もいる。新型コロナウイルスの感染拡大のなかでも詐欺をはたらく者がいる。そういうことを見るたびに、なぜ同じ人間なのにそんな差が生まれてしまうのかと考えてしまう。
今回の配布排除も、日本社会の地金が出たものだ。拉致問題以降の朝鮮や朝鮮人に対する差別、弾圧の一環であるし、長い歳月の間に作られた日本の朝鮮蔑視が根底にあると思っている。
抗議活動はこれからも続く。(k)