40代、一児の父親が「保活」をしてみて思ったこと
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「なんで子どもを保育園に入れる手続きがこんなに面倒なんだ―」
そんな愚痴を吐きつつ「保活」を始めたのは、妻が第一子の出産を1ヵ月後に控えた昨年8月末。
必要書類の作成から保育園選び、役所への申請にいたるまで夫婦二人三脚で取り組んだ。どのような手順を経て認可保育園への入園が決まるのか、実際に自分の手でやってみて初めて知ったことも少なくなかった。
2020年4月からの利用申込みの受付期間は10月から11月まで。
保育園の見学は基本的に私が担当した。子どもが6年間通う場所なので、父親も当然見ておくべきだろうという理由(送り迎えは母親担当になったとしても)。夫婦2人で見学できればベストだが、スケジュールを合わせるのが大変なので、どちらか行けるほうが行くという方針に決まった。
保育園の見学は平日の日中。保育園は土日が休みなので、あたり前といえばあたり前なのだが、こんな基本的なことも今回初めて知った。産褥期の妻が生まれたばかりの赤子を抱えて駆けまわるわけにはいかない。必然的に、見学は夫担当となった。保育園見学や役所通いは「育休」(在宅勤務)期間中に集中して行った。この時ほど「育休」を取ってよかったと思ったことはなかった。
選ぶポイントとしてもっとも重視したのは、アクセスだ。園の立地、自宅や最寄り駅からの距離や位置関係など。6年間、夏の冬の一時期を除いて週5日通うので、なるべく移動距離を短くして、子どもはもちろん送り迎えする親自身の負担を少しでも減らしたいと考えた。ほかにも、施設の環境、セキュリティ、食事(給食)や保育の内容・保育方針(よほどエキセントリックな方針を掲げている園じゃない限りOK)、保護者の呼び出し基準などなど、考慮すべき項目が想像以上に多いことにびっくりした(保育時間や保育料金に関しては、申し込んだのはすべて認可園なのでどこも大きな差はない)。
住んでいる地域は待機児童数の多い「激戦区」ではない。見学した保育園は5ヵ所のみ。それでも「育休」期間中じゃなければ到底回りきれなかっただろう。
そして申込書類を作成して、いざ役所へ。最大で10数ヵ所申し込むことができるが、実際に書き込んだのは4園のみ。最寄り駅周辺エリアにはもっと多くの園があったが、実際に6年間無理なく通わせられるかを第一に考えて、この数になった。窓口の担当者からも言外に「本当にこれだけの申し込み数でいいのですか」と確認されたが、事情を説明すると理解してくれた。
申請を終えた心境は、「人事を尽くして天命を待つ」。
その結果は、以前のエントリでも書いた通り、自宅から一番近い第一希望の園の内定を勝ち取った。
「保活」をしてみて思ったこと。
男性が「保活」したっていい。いや、むしろ積極的にすべき。夫婦のどちらか一方が子供の面倒と「保活」の両方を全面的に担うというのは負担が大きすぎる。
保育園なんて、入れればどこでもいいと思っていたが、とんでもない。
息子は4月1日から保育園に通う。新型コロナウイルスによる感染症の拡大防止のため、入園式は中止となった。日本国内のみならず世界中が大騒ぎになっている時期に保育園入園が重なるなんて―。当の本人はそんな親の心配などどこ吹く風だが。(相)