いやでも考えてしまうこと
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4月7日に日本で緊急事態宣言が(やっと)発令され、編集部もリモートワークになり、10日が経った。
幸いにもネットが普及している時代なので、業種は限られるが自宅でも仕事ができるし、本や映画、音楽も楽しめる。SNSの普及により「clap for carers」や「Friday ovation」という医療従事者に一斉拍手を送るアクションが広がったり、俳優、芸人、アーティストなどが「おうち時間」を楽しいものにしてくれる。著名人だけでなく一般の人々もいろんな動画をアップしているが、発想のおもしろさに尊敬の念すら抱いてしまう(笑)。
各地の在日本朝鮮青年同盟や、文芸活動団体、スポーツマンもおもしろ動画やエクササイズ動画、同胞たちの生活に役立つ動画をアップしているし、地域の在日本朝鮮青年商工会や日本の方々からの支援情報もSNSを通してよく目にする。
世界中の人が励まし合い、助け合うニュースには心が温まるのだが、日本政府のことごとくズレた対策や言動を見るたびに、やるせない思いでいっぱいになる。
諸々の経緯を経て、一律10万円の現金を給付するための補正予算が昨日(やっと)閣議決定された。
現金給付の噂が出たときから、「これって私たち(在日朝鮮人)にも適用されるのかな」と友達と話していた。「そんな、まさか」な差別政策を今までさんざん見てきたから、どうしても不安を抱いてしまう。
以前ブログで(相)さんが「COVID-19によってではなく、この国の政治によって殺されるのではないか―。冗談ではなく、本気でそう恐れている。」と書いていたが、コロナ禍で感染者が続出している中、「朝鮮幼稚園にはマスクを配布しない」という案が通ったのだから本当にそうだ。
いや今回ばかりは、不安を抱いているのは、外国籍やマイノリティだけではないと思う。
世界各国のリーダーたちが、「コロナ」という共通の課題で試されている中、日本のリーダーは国民の命よりもオリンピック、経済を優先したことは、政治をよくわからない人でもハッキリわかったのではないだろうか(まだまだ知識不足の私でもハッキリわかった)。
現金給付よりも先に、検察庁法改正案審議を進めたり、ネットの政府批判チェックにお金をつぎ込んでいるのを見ると、やはり国民の安全より自身の保身が優先なのだろう。「和牛券は違うでしょ」と声をあげたら現金給付になったのだから、これを機に日本の国民がもっと政治を見て、義務を果たしながらもあらゆる制度から理不尽に省かれているマイノリティを知って、おかしいことにはおかしいと声をあげたらな…-と、こんな事ばっかモヤモヤ考えてしまう在宅勤務期間である。
そして私は、このモヤモヤによるストレスのせいで、この間、不要不急の間食ばかりしてしまっている!体が声をあげているので、なにか対策をとろうと思う。(蘭)