人と会うことがリスクになる時代に
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本ブログでほかの編集部員も書いていたが、このたびの新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受けて、先週からイオ編集部も感染拡大防止措置として在宅勤務に移行した。
先週から昨日まで、外出したのは急用で出勤した17日のみ。外気に触れるのも、週に数回の朝のゴミ出し当番時とベランダでの気分転換のみ。生活必需品の買い出しや自宅周辺の散歩すらしていない。「stay home」を徹底している。
徹底した手洗いと消毒も含めてはじめは戸惑ったが、感染拡大を防ぐためにはこれくらいして当然だと思うようになた。先日、フリーアナウンサーの赤江珠緒さん夫妻が感染したというニュースに接して、「夫婦共倒れ」「家庭崩壊」「まだ小さい子の面倒は誰が見るのか」という恐れが現実問題として自分の目の前に迫ってきた。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、日本政府は4月上旬に出した緊急事態宣言の対象を全都道府県に広げて外出自粛の徹底を呼びかけている。感染防止のために人と一定の距離を保つ「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の保持)」という言葉も暮らしの中に浸透している。報道によると、海外ではこの言葉を「フィジカル・ディスタンシング」(物理的距離の保持)という言葉に言い換える動きも出てきているという。たしかに、言わんとすることは「フィジカル・ディスタンシング」のほうがより正確なのではないか。
人とのつながりを求める欲望は新型コロナウイルス禍の下でもなくならない。先日、ひょんなことから、いま話題の「リモート飲み会(オンライン飲み会)」に参加する機会があった。実際の会食とは違った面白さがある(実際には、飲酒はしなかったので「飲み会」ではなかったのだが)。
グループで集まらない、人混みを避ける、外に出ない、家で働く、公共交通機関を使わないなど、これまでの生活と真逆のことが求められている。戸惑わないほうがおかしいだろう。
人と会うこと、人と接触することがリスクになる、そんな時代が来るとは思ってもいなかった。もちろん、感染症の蔓延は昔からあったことなので、このリスクがこれまでなかったわけではないが、少なくとも私にとっては初めて経験する事態だ。
現在の新型コロナウイルス禍の中で、メディアの仕事のあり方、記者としての取材のスタイルはいかにあるべきかについて考えている。従来のやり方からは変わらざるを得ない。新型コロナウイルス禍がいつまで続くのかわからないが、今後は必然的にオンラインでのやりとりがメインになっていくだろう。この事態に早く適応して新しい仕事スタイルを確立しなければ、と焦っている。(相)