新型コロナ、“正しい予防対策を”―医協東日本の看護部会がオンラインセミナー
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在日本朝鮮人医学協会(医協)東日本本部の看護部会が、新型コロナウイルスから同胞たちを守るための啓発ポスターと学習用パワーポイント、健康チェックリストを作成した。5月末からは朝鮮学校の教員たちを対象に、感染予防について学べるオンラインセミナーを実施している。
セミナーは、これまで東日本各地の朝鮮学校を中心に4回行われた。時間は、質疑応答も入れて約1時間半。終了後には「感染予防について知っているつもりだったが改めて学ぶことが多かった」「大人たちの間でも価値観や意識の違いがあるので、こうしてしっかり教えてくれて助かる」といった感想がよせられた。
私も参加してみて、「気をつけているつもりでも、まだまだだったんだな」と意識を塗り替えられ、気が引き締まった。本日のブログでは、同看護部の先生方が作成されたパワーポイントを一部引用して内容をシェアしたい。
冒頭では、感染予防の要といえる「標準予防対策(スタンダードプリコーション)」、その名の通り“感染を予防するための基本的な対策”を学び実践することの大切さ、さらにそれを根気強く続けていく必要性が強調された。
続いて新型コロナウイルスの感染経路についていま一度おさらいがあった。①飛沫感染(くしゃみや咳、会話などで唾と一緒に飛んだウイルスを吸い込むことによって感染)と、②接触感染(飛沫したウイルスを触った手で顔を触るなどして粘膜から感染)だ。
これを踏まえた上で、自分たちが徹底してやらなければいけないのが先ほど出た「標準予防対策」である。具体的な内容は、日常的に言われている①手洗い、②咳エチケット、③3つの密を避ける、④マスク、⑤消毒。やり方をきちんと学ぶと、普段いかに危機感が薄かったか、油断していたか気づかされた。
特に手洗いは、外から室内に入ってきたときだけではなく、公共的な場では基本「ワン行為、ワン手洗い」が望ましいと話された。例えば共用のものを触った時、掃除の後、食事をする前、咳やくしゃみをした時…など。
新型コロナウイルスは無症状感染者の例もあり、だれがウイルスを持っているかは分からない。ウイルスがそこにあることを前提に行動してこそ、それが体内に侵入することを防ぐことができる。
また、「マスクをつける」と言っても、表面を触ってはいけないこと、つけ外しする際は紐だけを触ること、すき間ができないつけ方をつること…など細かい部分は分からなかったり、意識が届いていない人もいる。
看護部の先生方は、それぞれの対策ごとの「分かったつもりでいて実は曖昧なこと」に一つひとつ言及しながら、いま一度、子どもたちを指導する立場にある大人たちこそがしっかりと知識を身につけ、意識を高めなければならないと呼びかけた。
最後に、これらはとても手間、労力、お金、時間がかかること、大人が責任を持って目を光らせ指導しなくてはいけないこと、そのために朝鮮学校の教員たちだけではあまりにもしんどいこと(ボランティアの必要性)、なによりも一番に「命を守る」という観点を持ち、そのために柔軟な運営をしていかなければならないこと、そして何事においても決して誰かを責める形になってはいけないこと…などが熱く話された。
終了後の意見交換の場では、今日学んだことを1週間実践してみて、改めて出た疑問点などを相談できる場をオンラインで設けてほしい、各学校の教員と医協のメンバーらがいつでも連絡を取り合える環境を作ってほしいなどの要望が上がった。また今後、需要があれば保護者向けのセミナーを実施する計画もあるという。(理)
※問合せは医協中央(TEL:03-6268-9817)まで