無償化連絡会が500万円寄付/緊急カンパ、東京中高学区の朝鮮学校に
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日本市民らによる「朝鮮学校『無償化』排除に反対する連絡会」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で学校運営が困難な状況に置かれている朝鮮学校を支援しようと、緊急カンパを呼びかけたところ、計500万円が集まり、東京朝鮮中高級学校学区の朝鮮学校に寄付された。
8月21日、連絡会共同代表の長谷川和男、田中宏、森本孝子さんが東京都北区の東京中高を訪れ、寄付を伝達。尹太吉・東京中高校長、金順彦・東京朝鮮学園理事長、李昌勇・埼玉朝鮮学園理事長、呉伯根・東京中高教育会会長、金秀彦・東京朝鮮第4初中級学校教育会会長らが出迎えた。
今年2月に結成された連絡会の前身は、東京朝高生が高校無償化の差別なき適用を求めて起こした裁判(14年2月)を支援するために発足した「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」。19年9月に最高裁で原告側の上告が棄却され、敗訴が確定した後も、高校無償化、幼保無償化からの朝鮮学校排除を是正するため、朝鮮学校への支援を続けてきた。
森本さんは「今年5月に新しい校長先生に挨拶にきたとき、休校を余儀なくされ、夜会や運動会などのイベントが開催できず、学校運営がますます厳しいという窮状を聞き、すぐに緊急支援を思い立った」と話す。
「特別定額給付金が支給されるのもタイミングだと思いました。高校無償化からの排除が10年続き、朝鮮学校が幼保無償化や学生緊急給付金からもはずされるなど、日本社会がゆがみ切っているなか、朝鮮学校の子どもたちに申し訳ない思いで一杯でした」。
5月25日から呼びかけられた緊急カンパには、7月末日まで306件が応募があり、50万円、10万円、3000円と、多くの人が協力を寄せてくれたという。
金順彦・東京朝鮮学園理事長は席上、「こんなにたくさんの支援をいただき、本当に助かったという思いです。2003年の枝川裁判、14年に始まった高校無償化裁判など、学校を守るための苦しい月日が思い出され、皆さんの支援をしっかりと捉えることができました」と感謝の思いを伝えた。
席上、東京、埼玉、千葉の朝鮮学園理事長と東京中高校長の連名による感謝状を読みあげた東京朝鮮学園の姜龍玉部長は、「コロナ禍の中でさえ埼玉朝鮮幼稚園へのマスク配布が排除されるなど、朝鮮学校を取り巻くすさんだ社会環境の中でも、多くの日本の方々の力強い励ましと支援の輪に心が温まります」と思いを伝えた。寄付金は東京中高学区の朝鮮学校の運営に充てられる。(瑛)