手をつなぎ、子どもたち応援しよう /だいろく友の会が結成 、東京第6初級を支援
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東京朝鮮第6幼初級学校友の会(だいろく友の会)が8月29日、結成された。発足会が東京都大田区の同校で行われ、大田区、世田谷区などの日本市民、朝鮮学校保護者や支援者ら約60人が集まった。
都内には11の朝鮮学校があり、日本市民による学校支援団体の結成は東京第2初級、東京第9初級、西東京第1初中、西東京第2初中に続くもの。共同代表は、弁護士の宮川泰彦さんと元教員の谷口滋さん。
会の目的は、①第6の子どもたちの応援、②第6の民族教育の応援、③第6の地域交流の応援(会則から)。これからは、「3つの応援」を具体化する活動や第6との交流・イベンド開催、民族教育に対する制度的差別の解消に向けた活動を進めていく。
発足会で抱負を語った谷口滋さんは、「在日コリアンの方々が、ウリハッキョと呼ぶように、地域の学校として伸びていくような支援をしたい。朝鮮学校への無償化をやめたり、在日コリアンへのヘイトスピーチが横行している。この現実を乗り越えていくために、力を合わせていきたい。友だちになるのがなによりです。コロナ禍のなかでも、『つないだ手は固い』と信じてやっていきたい」と意欲を語った。
会では、呉英哲校長が発足にいたる経過報告をした後、幼児・園児が学校で過ごす日常が動画で紹介された。
また、第6学校が取り組む朝鮮語教育やICT教育について、卞優姫教員が解説。
続いて、文瑛華教員によるウリマル講座も行われ、参加者たちは、子どもたちに声がけするイメージで会話を楽しんだ。
また、幼保無償化や学生支援緊急給付金の現状について、宋恵淑・在日本朝鮮人人権協会部長の報告も行われた。
友の会結成のきっかけとなったのは、19年11月に同校で行われた公開授業と焼肉交流会。会は地域の日本市民、議員(17人)ら120人が参加し盛況だった。20年に入り、1月31日には「だいろく友の会」準備会が発足。新型コロナウイルス感染拡大のなかでも、「コロナに負けず、子どもたちを支えていこう」と結成の運びとなった。
発足会の司会を務めた根岸祥靖さん(47)は、羽田に暮らす在日コリアンと長く付き合ってきただけに、感慨ひとしおの様子だった。「朝鮮学校が日本社会にとって必要な存在だということを訴えていきたい。偏見を変えていくのは難しいことだが、地域から親しくなっていかないと。そうしないと、なぜ差別があるのか。子どもたちが政争の具になっているのかが、わからない」。
世田谷区在住の鎌田浩宮さん(52)は、この日32点の絵本とCDを持って同校を訪れた。「昨年11月の公開授業を新聞報道で知り、初めて第6に来ました。世田谷区三宿にも朝鮮学校があったというのに、いい年になるまで知りませんでした」と悔やむ。「自分ができること、誰でも気軽に支援できることから始めていきたいですね」。(瑛)