ふりかえり台湾➁
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前回のブログ「ふりかえり台湾➀」はこちら
台北から電車で東に1時間半ほど行くと十分に行ける。山あいにあるのどかな場所で、ランタン飛ばしで有名なスポットだ。大きなランタンには願い事を書くことができる。着くと、たくさんの観光客が真剣に願い事を書いたり、空に浮かんでどんどん離れていくランタンを楽しそうに見つめていた。
さっそく自分たちも願い事を。私は金運について願う黄色の面に、どでかい願いを書いておいた。
後日、土産話として家族に写真を見せると「なんで700億?」と聞かれた。深い意味はなく正直その場のノリで、せっかく“億”という夢のような単位を出すなら振り切った方がいいな!と勢いづいたのと、よくラッキー7というので縁起がいいかなと思ったから。
ちなみに同行者は「자주 평화 민족대단결(自主 平和 民族大団結)」と、朝鮮半島の平和統一のための3大原則を書いていた。いま考えると、願い事ではなく志…?
ランタン飛ばしの場所はとても小さなスポット。道の両側には屋台フードを売る店や土産屋が並んでいた。そんな中、おもむろに臓物や生肉が陳列されているのにはギョッとした。
十分駅から電車とバスで移動し、九份へ。ここはジブリ映画「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせる風景が見られる場所とのこと。到着するとまずこんなお土産が売られていた。
ハクがよこしまな目をしている…。そして千尋の目にも感情がない。思わず買いそうになったが気を取り直して出発し、観光者みなが目指す写真スポット(写真下)へ。途中、台湾伝統茶を楽しんだりもした。
旅行後半は台湾の高速鉄道に乗って地方都市へ。台中と高雄である。台中の主な目的は、文心森林公園に行くこと。
台湾では旧暦の1月1日にランタンフェスティバルが行われ、大量のランタンを夜空に浮かべるイベントがあるという。今回の旅行では残念ながらイベント当日に被らなかったものの、時期を前後して台湾各地の副会場で各種催しがあることを事前に知った。
その一つが、台北市から高速鉄道に乗って約40分、台中にある文心森林公園である。公園自体は特別な観光地という訳ではなさそうで、しかしこういうイベントがなければ行くこともないだろうと思い足を運んだ。
公園にあったのは、謎の“しゃくれ動物”シリーズ。こんな感じで、あごがしゃくれている動物たちの光る人形がいたるところに設置されていた。想像していたような、空に飛ばすランタンは皆無。あ、これね…と気分を切り替え、散歩気分で夜の公園を歩いた。
※注・音が出ます
私たちのほかにも人が多く、観光ではなかなか見られないような現地の人々の普段の姿が見られたような気がして、これもこれでいい時間だった。上の動画は公園の一角で踊る人たち。ゆるい感じなのでダンスサークルではなさそうだ。エクササイズ? どちらにしても、うしろからさりげなく入って一緒に踊ればよかったと今になって猛烈に後悔している。
最後に紹介するのは高雄。台北とは正反対、台湾の南側に位置する地方都市だ。他の地域に比べて格段に暑く、南国感が強い。1月にも関わらず薄手の長袖ニットで歩くとじんわり汗をかくほどだった。半袖でもいいくらい。
まずは蓮池潭へ。大きな池の周りに、印象的な撮影スポットがちょうどよく配置されている。ゆっくりぐるりと1周すると1時間以上かかるが、実質は半周分のところに撮影スポットがまとめられているため、その部分だけ回った。
また、ガイドブックにも載らないような寺院が池の周縁だけでなく敷地外にもたくさんあり、そのどれもが精巧な飾りを施されていて素晴らしかった。
蓮池潭を見て回ったあと、バスと地下鉄で駁二芸術特区へ。ここは、かつて倉庫として使われていた一帯をリノベーションした広大なアートスポットである。いたるところに個性的なペイントやモニュメントがあり、見ていて飽きない。
奥へ進むと開けた草原が。スーツケース、ラッパ、不思議な球体など、巨大モニュメントの前で写真を撮る人たちと、それには目もくれずピクニックや凧揚げをして楽しむ人たちとで二極化されているのが面白かった。しょっちゅうここで過ごしている地元の人たちにとってはすでに風景の一つになっているのだろう。
国内出張は多いが、なかなか海外に行く機会がないので、初めての台湾旅行はとても発見が多く刺激的で面白かった。
また、一人旅ではなく二人旅のよさを実感した。明日はどこへ行こう、この後はここにも寄ってみようなどと旅路について同行者と相談する中で、自分の関心分野外の場所にも行ける。一方、同じ道を歩いていてもそれぞれ違うものに注目して、自分が気づけない視点を教え合うのも楽しかった。
…と、ざっくりと振り返ってみたが、今回の旅はまだまだ“さわり”程度の経験だったと思う。他にも書きたいことはたくさんあるものの、あまりにも小ネタだったり長くなりそうなので終了する。また時間ができたら、もっとディープな場所をじっくり歩いてみたい。(理)