東京発!オンライン講座「ゲーム、スマホとの付き合い方」
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朝鮮学校保護者向けのオンライン講座「ゲーム、スマホ、ユーチューブとの付き合い方」(女性同盟東京都城南支部子女部主催)が、1月23日の21時から行われ、北海道から九州までの約50名が参加し、互いの子育ての問題意識や悩みを分かちあった。
まず、グループに分かれて自己紹介。「子どもが夢中になっていること」をテーマに5分ほど交流するブレイクタイムが設けられた。
講師の岩田かおりさんは、「ガミガミ言わず、勉強好きで知的な子どもを育てる親子講座『かおりメソッド』」を主宰する講師で、3児の母親。「家庭環境の整え方」「わが子へのアプローチ方法」「勉強好きを育てる親の思考軸」をメインに30分ほど話をした。
デジタル環境にどう対応すればいいか、という本題の前に、「10歳までが勝負で、親の関わりの中で、学ぶ意欲を持つ子どもを育てることができる」と促した岩田さん。
学ぶ意欲は、KISS(好奇心、意欲、思考力、信頼関係)の基盤あってこそで、知識やテストの結果にフォーカスをあてるものではない、親に愛されている感情や、家が安心安全な空間であることが大切で、「子どもへの関わり方を変えることで変わってくる。家庭内にしかけを作れるかどうかです」と奮起を促した。
一方、親が早期教育や受験熱に駆られ、「努力、辛抱、ダメ出しを続けていると、親に言われたことだけする、指示待ち、無気力、勉強嫌いになる傾向になる。社会人になるとこれは致命傷になります」とも。
本題の「デジタル社会との付き合い方」については、「いつでもどこでもインターネットにつながれる時代、悩むことは当たり前です」と前置きしたうえで、なぜゲームやスマホが子どもを夢中にさせるのかを説明した。
…子どもは、家庭に居場所がなくなるとゲームに夢中になる。夢中になる要素としては、秒単位で快感が得られる/手軽にレベルアップができる/すぐに結果が出る/乗り越えられる適度な壁がある/友だちとのコミュニケーションのひとつ―など。
一方で、「ゲームばかりすると、すぐに報酬につながらないことが面倒臭くなり、他のことを楽しむ力が育たなくなってしまう。人との出会いや、机に向かったり読書をする習慣、行楽などを楽しむことなく、成人になってしまう…とも。
そして、多くの家庭が悩む、「どうすればいいの?」という対策については、「家庭内を好循環する作戦」と題して5つを紹介。「集中している間は、小言は言わない」などの5つを紹介。さらに、家庭内ルールを成功させる5つのコツもアドバイスした。
また、「ルールが守れない場合、子どもと相談しながら守りやすいルールを作ることも大切。ゲーム依存になるのは、ゲームが自分をほめてくれる場所になってしまうからで、日常生活の場所でも楽しいことがある子は依存になりにくい」と助言。家族で楽しめるアナログな遊びを見つけるなど、大人自身がデジタル生活に依存せず、わが子に直接関わっていくことを呼びかけた。
質疑応答の場では、中学生の子どもが朝から晩までスマホを触っているが、ルールを決めた方がいいのか、春に子どもが小学校に上がるが、携帯電話をどのように始めればいいのか、などの質問が寄せられた。
乳幼児から大学生まで、参加者の子どもの年齢層は幅広く、閉会後もそれぞれの悩みや小さな実践について語らいが続いた。
講義を企画し、当日、ファシリテーターを務めた洪愛舜さんは、「まだまだコロナが続いていくなか、オンライン講座の定例化を考えています。朝鮮学校のネットワークの強み、保護者間の連帯、絆を感じながら、子育てする場にしてくれればうれしい」と手ごたえを語っていた。
※参加者の発言から
●夫婦で見ていたが、早速翌日からルールの話し合いや、特別ではない日の特別は禁止にして、厳しさも愛とかみしめ、子どもたちと向き合うように行動を始められた。考えさせられる時間になった。
●ゲームやYouTubeのルールは実践済みだったこともあり、せっかく沢山の方々が参加されているので、各家庭のルールを知って参考にしたいと感じた。質疑応答は子どもの年齢ごとのリアルな話が聞けたので、もっと長くてもいいと思った。
●ウリハッキョはとてもいいと思うが、在学生数が少なく、少人数の人間関係やコミュニケーションしかないので、今後社会で生きていけるのか、周りのオモニたちが心配されている。学級の人数が2人とか、同性がいないなど、人が少ないから揉まれない。
日本各地の少人数学級のオモニたちと交流してみたい。1条校とは異なる独自の教育理念や方針により運営されている少人数のオルタナティブスクールの話など聞いてみたい。
●ウリハッキョのオモニ同士の交流ができるという場が素晴らしい。
※今後の講座のテーマについて、アンケートで募集したところ、子どもの睡眠時間、運動能力の伸ばし方、中高生の勉強法、思春期、子どものお金の付き合い方、自己肯定感を生む声がけ、将来の進路などが寄せられた(瑛)。