ハルモニの絵を日本でも―「キボタネ」がクラウドファンディングを開始!
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日本の若者が日本軍性奴隷制問題について学び、性暴力のない社会づくりに役立てる目的で17年6月に設立された「希望のたね基金(略称:キボタネ)」が、2月2日からクラウドファンディングを始めた。
プロジェクトの内容は、韓国のイ・ギョンシンさんが書いた本『못다 핀 꽃―일본군 성노예제 피해자 할머니들의 끝나지 않은 미술 수업―』の翻訳刊行だ。この本は、1993年から5年間、ナヌムの家に暮らすハルモニたちに“美術の授業”をした著者が綴ったもの。
キボタネの代表理事である梁澄子さんは、韓国で2018年に出版されたこの本に出会って感銘を受け、日本でも出版したいと感じたという。翻訳も自ら担当し、『咲ききれなかった花―日本軍性奴隷制被害者ハルモニたちの終わらない美術の時間―』とタイトルをつけた。
「イさんの文章がとてもあたたかく、繊細な目線でハルモニたちを捉えていて共感できる部分が多かった。普段は隠されているけど隠しきれないハルモニたちの傷。その傷を見てしまい、目を背けたいけど背けられない、そのようにして運動に携わってきた人たちがいる。イさんもそういう人たちの一人」(梁さん)
また、キボタネ理事の北原みのりさんもこの本の持つ力、意味について言及。「2018年にこの本を書くまで、イさんが公に被害者のハルモニたちについて発言することはなかったと思う。でも日本政府が今もその存在を否定していて、2015年の合意では『お金を出すから不可逆的に忘れよう』という旨の姿勢をとっているなかで、『見たものを残さないと』という使命感で書いたと思う」。
また、ハルモニたちが絵を描くことで過去の自分を癒していくようすも知ることができたとしながら、「アート治療というものが性暴力の被害者に十分に施されていなかったなか、実践したのは素晴らしいこと」だと評価した。
クラウドファンディングのページは以下。ページ内の動画では、書籍の内容が一部公開されている。支援者には、出版記念イベント(6月中旬予定)や完成した書籍のプレゼントといったリターンが用意されている。興味のある方は支援や拡散でつながってみては。リンクは以下。
https://camp-fire.jp/projects/view/374515#menu
一方、クラウドファンディングのスタートと同日の夜には、オンライン記念講演「一から知りたい『慰安婦』訴訟判決」が開催され、1月8日に韓国のソウル中央地方法院が下した判決の解説が行われた。こちらの内容は後日、【イオ ニュース PICK UP】で紹介する。(理)