朝高でオーダースーツの採寸会
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就職、進学など、卒業後はそれぞれの新しい舞台でスーツを着る機会の多い高校3年生。
オーダースーツ・SADAの採寸会が、1月14日から2月4日、日本各地の朝鮮高校で高級部3年と教職員を対象に行われ、好評を博しました。
最後の採寸会となった2月4日。神奈川朝鮮中高級学校(横浜市)を訪れると、高3のキム・ジンセさんが、大学の入学式用に濃紺のスーツを選んでいました。
幼いころからの夢だった建築を学ぶため、この春、大学に進学するというキムさん。
「大学では楽しみながらも、飽きるまで勉強してみたい」。スーツを選ぶ段になり、大学生になるんだ、という実感がわいたと話していました。
高校生たちは、オーダースーツを作る、という経験をすっかり楽しんでいるようでした。
「どんな時にスーツを着るのかを考えて、色や柄を選んでみて―」。
職員や教員たちのアドバイスを受けながら、約60種類に及ぶ生地の中から、スーツの色や裏地、ボタンや刺繍の色をじっくりと考えては選ぶ―。私の学生時代には、こんな贅沢な空間はなかったので、うらやましくなりました。
今回、各地の朝高に特別価格のオーダースーツを提供してくれたSADAは、1923年創業の歴史ある企業で、日本各地に店舗を構えています。横浜FC、名古屋グランパス、千葉ロッテマリーンズはじめ、Jリーガーやプロ野球チームのスーツも多く仕立てています。
採寸会のきっかけを作ったのは、サッカー元朝鮮民主主義人民共和国国家代表の安英学さん。同社の佐田展隆社長と「サッカー仲間」で、安さんが横浜FCに在籍していたころ、毎年スーツを作ってもらっていた縁もあり、安さんが「朝鮮学校で一生懸命学んでいる後輩たちのためにスーツを作ってほしい」とお願いしたことがきっかけでした。
安さんが、「出来上がったスーツの素晴らしさはもちろん、仕立ての過程でとても学びが多く、後輩たちにも経験させてあげたい」「毎年、高校3年生の卒業生たちに、朝鮮学校があるかぎり続けさせていただきたい」とお願いしたところ、担当の方が、真剣に聞いてくれたといいます。
その後も何度か交渉を繰り返した結果、特別価格で仕立ててくれることを約束してくれ、「学校にお仕立てに伺います。もしよろしければ教職員の先生方のも同様にいたします」とまで言ってくれたそうです。
今回、朝鮮高校の高3と教職員をあわせ、注文は240着!
北海道朝高以外は、スタッフが学校まで来て採寸してくれました。
ドミノピザはじめ、企業の粋なはからいに心温まります。
SADA様、ありがとうございました!(瑛)
オーダースーツ・SADA https://www.ordersuit.info/