ひとつ叶ったチャレンジ
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通巻300号となる月刊イオ6月号がついに校了を迎えた。これまでにない挑戦、普段フォローしていないジャンルの記事執筆、初めて行く地での取材など、個人的にいろいろなことが凝縮された濃い期間だった。どれも多方面の方々、そしてイオ編集部内の応援や手助けがあってようやく実現したものだ。
中でも大きかったのは、プロサッカー選手・三浦知良さんへの書面インタビュー。サッカーに詳しくない自分でも「カズ」と聞けば分かる、サッカー好きからしたらそれどころではない、もはやレジェンド的存在であろう。そんな三浦選手がイオに載ることになった。
最初のきっかけをくれたのは自宅でテレビを観ていた夫。画面に映った三浦選手を見ながら「イオでインタビューしたら?」と言ってくれた。
はじめは「いやいやいや…そんな、こんな有名な方が…」と思ったが、いや、企画して損はない、できるところまで進めてみようかと考え直した。300という記念すべき号、なにか同胞たちが驚き、喜ぶことがしたいとの気持ちも芽生えた。
この突然のオファーを三浦選手までつないでくれたのは、かつて同じチームで活躍した安英学さん、そして横浜FCの強化・育成部部長を務める李哲洙さんだ。右も左も分からないまま相談したところ、すぐさま連携を取って、まさかの実現まで押し込んで下さった。ちょっと信じられなかった。
実際の取材は、新型コロナウイルス感染症対策のためなどもあって、直接に対面し、言葉を交わす形ではできなかった。当初考えていたような、在日同胞選手や朝鮮民主主義人民共和国のサッカーチームの存在感などについてじっくりと語ってもらうといった内容は叶わず、代わりに広報の方が三浦選手ご本人とこちら側の書面のやりとりを代行して下さった。
準備過程の一時は、お会いできないこと、自分たちで撮り下ろした写真が載らないことなど、ほんの少し残念だったこともあった。いろいろな言葉を引き出すため、もっと大量の質問を送っておけばよかったのでは、と小さな後悔もあった。
しかし印刷所へ行く直前のゲラを見ると、改めてイオに三浦選手の名前と写真が出たこと、しかもただの一方的な紹介ではなく、多忙な中ご本人が誠意を持って言葉を返して下さったことはものすごくありがたいし、イオにとっても意義ある一歩になったかなと感じた。
同時に、自分はイオという媒体の可能性、もっというと土台となっている同胞ネットワークが持つ力を過小評価していたことにも気づかされた。それぞれに奮闘しながら、縦に横にと各方面で道を切り開いてきた同胞たち。そのすごさを今さらながら実感した。
自分たちが思っているよりも、同胞たちとのつながりによって成しうることはたくさんあるのでは…。今まで、チャレンジすること、そういう発想を持つこと自体、忘れていたかもしれない。
仕事をする上で、もっと自由に夢や期待を描いてもいいんだな―。ひとつ視界が開けた気がした。(理)
胸を打つ文章。こちらの胸も熱くなった。
これからも同胞を信じチャレンジしていってもらいたい。
そして「イオ」をますます価値あるものにしていってもらいたい。
張弘順さま
アンニョンハシムニカ。コメントをコマッスムニダ!
あたたかいエールをありがとうございます。
これからも同胞たちの力になるような内容作りに励みます。(理)