関東大震災朝鮮人虐殺から98年、横網町公園で追悼行事
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関東大震災98周年に際して、震災時に虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する行事が9月1日、東京都墨田区の横網町公園で行われた。
午前には、日朝協会東京都連合会などでつくる実行委員会が毎年主催している「関東大震災98周年朝鮮人犠牲者追悼式典」が行われた。
式典は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、昨年に引き続き今年も一般参加は受け付けず、関係者のみで執り行われた。式典のようすはインターネット中継された。
追悼式典の実行委員長である日朝協会東京都連合会の宮川泰彦会長が開式の辞をのべた。宮川会長はこの式典が「同じ過ち、類似の過ちを絶対に犯してはならない、繰り返してはならないことを誓い合い、そのために求められることを実行しようという決意を確認する場」だと指摘。「98年前の悲惨な事実を忘れず、世代を超えて伝承していくことが今を生きる私たちの責務だ。98年前、なぜあのような過ちを犯してしまったのかを分析し、振り返り、反省するのは現在も大切な取り組みである」と強調した。
震災発生時刻である11時58分には参列者全員が起立し、犠牲者たちへ黙とうをささげた。
式典では伝統舞踊家の金順子さんが「鎮魂の舞」を披露し、総聯東京都本部の梁春植副委員長、「関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会」の西崎雅夫運営委員、日本共産党東京都議団の福手ゆう子議員らが追悼の辞をのべた。また、映画監督の山田洋次さん、エッセイストの海老名香葉子さん、作家の中沢けいさん、韓国の市民団体「独立」が寄せた追悼メッセージも紹介された。
一方、小池百合子東京都知事は歴代の知事が送ってきた式典への追悼文を5年連続で中止した。
続いて午後1時からは、総聯の活動家、日本の市民団体代表らが参加して「関東大震災朝鮮人虐殺98周年追悼の集い」が執り行われた。こちらも新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から一般参加を中止し、代表者、関係者のみの参列となった。総聯中央の徐忠彦国際局長、東京都本部の高徳羽委員長、東京朝鮮人強制連行真相調査団の西澤清代表など約50人が参列した。
集会では高委員長、西澤代表が追悼の辞をのべた。また、朝鮮民主主義人民共和国朝鮮人強制連行被害者・遺族協会から送られた追悼文が代読された。韓国の金弘傑国会議員と民族和解協力汎国民協議会(民和協)の李鍾杰代表常任議長からも追悼文が送られてきた。(相)