入管収容施設内の映像、全面開示へ/ウィシュマさん死亡事件
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名古屋の入管施設で今年3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんが収容中に亡くなった問題で、これまで遺族に一部しか開示されていなかった、施設収容中のウィシュマさんの様子が記録された映像が全面的に開示される見通しとなった。
昨日、TBSが伝えた。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4374266.html
本誌でもたびたび報じてきたように、ウィシュマさんの死亡を巡っては、真相究明を求める遺族がビデオの全面開示を求めてきた。しかし入管側は「保安上の理由」などを挙げてこれを拒否し、遺族側には約2時間に編集した映像のみを開示。代理人弁護士の立ち会いも認めなかった。
TBSの報道によると、10月1日、日本に滞在中のウィシュマさんの妹ポールニマさんと代理人の指宿昭一弁護士は、名古屋地裁で新たに開示された入管施設内のビデオ映像を視聴した。遺族は今後、国側への損害賠償を求め提訴する方針だが、裁判所が先月、この裁判に先立ち事前に証拠を確保する「証拠保全」を認める決定を出したことで、遺族側が今回、映像の一部を見ることができたという。
ウィシュマさんが亡くなる当日の映像を視聴した指宿弁護士は、「あの映像をみれば現場で何が起こっていたのか、入管がどれだけひどいことをしたのか、助けられたウィシュマさんの命を助けなかったことが誰の目にも分かる」とのべた。ポールニマさんも、「入管が姉を見殺しにしたことがよくわかった。入管側が外国人にこんなに酷い事をしている映像を日本人にも見てほしい」と話している。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4374266.html
弁護団によると、「ビデオは今後、裁判を通して全面開示される見通しとなった」とのこと。遺族と弁護団は本日、記者会見を行う。
さらなる詳細は今日の会見で明らかになるだろうが、入管側は遺族側の要望を全面的に聞き入れ、ビデオ映像の全面開示を含む事件の真相解明に積極的に取り組まなければいけない。(相)