2月号特集は、「在日トンポ、名前の話」
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1週間の休みを終えて、イオ編集部は2月号の完成に向けて追い込みをかけています。
2月号の特集は、「在日トンポ、名前の話」です。
ある日の夕方、学校から帰ってきた10歳の息子が、「オンマ、うちには2つ名前がないの?」と聞きました。なんでもクラスメイトの幾人かが、普段の生活で日本名を使っている話を耳にしたようです。
4世の時代、民族学校で「日本名の暮らし」を実感することがあるのか、と感じたしだい。
私の姓は「張」ですが、一世の祖父母や二世の親、そして叔父叔母たちも、「張本」という日本名を使っていました。下の名前も〇雄、〇子といったように、日本的な名前、一方でトルリムチャを使った名前もつけていました。
大学で留学同に出会い、朝鮮語や朝鮮の歴史を学ぶなかで、父が「朝鮮の名前はないのですか」と祖父に聞いたところ、初めて朝鮮名を教えてもらったそうです。それでも、家庭では呼びあう名前は日本名。母方の家庭もそうでした。
今回の特集では、さまざまな家庭の、個人の名前をめぐる話を集めました。
名前とは、名乗り、呼ばれることで、自分のものになっていく―。
6歳から朝鮮学校で育った私にとっては、名乗り、呼ばれる名前は、朝鮮の名前・ひとつでしたが、
生まれた時から日本名で育つダブル、クオーターの人たちにとっての民族名は、また違う意味を持つことに気付いた制作過程でした。
何より感じたことは、朝鮮名を名乗るということは、朝鮮人として生きるかどうか、という問いと切って離せないということです。
この間、名前をめぐるたくさんの葛藤や逡巡を聞きながら、イルム(朝鮮語の名前)というお題の深さ、おもしろさを感じています。
SNSでそれぞれの名前について募集したところ、初めて聞いた話もありました。
ご協力いただいた方々に、この場を借りて感謝いたします。
2月号は、1月18日の発売予定。ぜひお楽しみください。(瑛)