ウリ塾、生徒を募集します!
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本日は、同胞大学生有志らが立ち上げた完全個別オンライン塾の紹介と生徒募集のお知らせです。
名前は「ウリ塾」。上に書かれているように、ウリ学生(朝鮮学校に通う生徒たち)を対象にしています。年齢は高級部以上に限定しています。
立ち上げたのは現役大学生の尹昶橙さんと朴英鎮さん。ともに茨城朝鮮初中高級学校の卒業生です。ウリ学生に限定した個別指導塾を始めようと思った経緯や理念について聞きました。(理)
―ウリ塾を発足した経緯について教えて下さい。
朴英鎮さん(以下、朴):私が日本の大学へ進学を決めた時、受験勉強といっても何から取りかかればいいか分からず、身近に受験経験者も少なかったため苦労した経験がありました。
受験準備のために、ソンセンニムたちはハッキョのスケジュール調整など色々な面で気を遣って下さいましたが、私が受験のノウハウを知らなかったことで、せっかく作ってもらった時間を無駄にしてしまったという悔いも残りました。結果、私は一浪して希望の大学に合格しました。
手探りで得た知識や経験、「自分が現役の受験生だったらこんなことを知りたかった」というようなノウハウを、いま同じようなことで悩んでいる朝高生に伝えてあげたい。まとめてアドバイスできる場があるといいな―。そんなことを考えるようになり、去年の4月、同級生の昶橙に相談したことが始まりです。
―アイデアを形にする上で、難しいことはありましたか?
尹昶橙さん(以下、尹):自分のアボジが経営者なので、意見を聞いてみることにしました。取り組みに関してはいい反応をもらえましたが、ひとつ指摘されたのは、「ウリ学生を対象にするという点で、朝鮮大学校に進学する流れをつぶしてしまいそうなものになりがちだよね」ということでした。
朴:これは私たちも考えていました。方向性を間違えてしまうとコミュニティにマイナスになってしまうからです。改めて意見をもらったうえで、いちばん話し合ったのは塾の理念についてでした。
明確なのは、ただ単に日本の大学へ行くことを推奨するものではないということです。私の出身校である群馬朝鮮初中級学校と茨城朝鮮初中高級学校では昨今、中級部を卒業して日本の高校へ進学する生徒が増えていると感じています。
生徒自身というより、卒業した後の進路が見通せないというような“ウリハッキョで勉強することの不透明感”への焦りが保護者の中にあって、その焦りが子どもに伝播し、「とりあえず高校は日本の学校へ」という考えになる家庭が多いように思います。
私は、ウリハッキョの高級部に通うことで価値観が変わりました。ウリ学生という立場からの社会の見方や朝鮮人としての考え方は、高級部で学んでこそ染みこんでいくという実感があります。
ウリハッキョ卒業生だからこそ、日本の学校で学んだ人が培ってこられなかった考え方を持ち、学術的にも飛躍できるんだということを見せたい。「朝高に行ったからできない」ではなく、朝高に通ったからこそ生かせる力がある。そんなことも伝えたいと考えました。
そういった思いを共有した上で決めた理念が、「将来の目標を持って、日本の大学へ進むことでそれを実現したいと考えている朝高生をサポートし、同胞社会および国際社会で活躍する人材を育む」というものです。志のあるウリ学生への支援は、同胞社会にとってもプラスになることだと思います。
だからウリ塾では、中級部を対象にしていません。日本の高校受験に力を入れてほしくないからです。ウリハッキョの高級部で学ぶことを前提として、それを土台に高い目標を持ってチャレンジする生徒たちを応援したいと思っています。
―ウリ塾のアピールポイントを教えて下さい。
朴:日本の高校はそもそもカリキュラムや学校行事の計画などが大学受験を前提に組まれています。反面、ウリハッキョは同胞社会を牽引していく人材育成に根差した教育を行っています。日本の学校とは一線を画す、生徒たちの「観」と「実力」を育む実践によって、たくさんの優秀な人材が輩出されています。
しかし、ウリハッキョに通いつつ日本の大学への進学を目指すとなると、受験生個人が日本の学校とウリハッキョのカリキュラムの間にあるギャップを埋める努力をしなければいけません。私が直面した問題でもあります。
一方で、志望大学に進んだ先輩たちとウリ学生を結ぶコミュニティは薄く、現在も個々人が手探りで受験勉強に励んでいるのが実情です。ウリ学生が抱える様々な不安や要求に親身に寄り添って学習サポートができるのは、私たちのような受験経験者だと思います。ウリ塾は「朝鮮学校に通う学生のための学習戦略」を掲げ、質の高い学びを提供することを目指しています。
尹:「完全個別オンライン」を謳う日本の塾もたくさんありますが、質の面では負けていないと思います。中には指定した参考書をなぞるように答え合わせするだけの塾もあります。お金を払ってもらうのであれば、無駄のない、出すに足る授業をしなければいけません。ウリ塾の講師は、英語や理数といった受験に強い科目を専門的に研究しており、実際に塾講師の経験があるメンバーたちなので、その時々の生徒の課題に合わせて確実にレベルを上げていけます。
本格的なスタートに先立ち、昨年度はプロト期間を設けて二人の朝高生に授業を体験してもらいました。「大学入学共通テスト」という日本全国共通の1次試験があります。昨年は難易度が高いと言われていた中、ウリ塾で学んでいた生徒たちの成績を見ると一定の効果を感じられました。暗記問題ではなく思考力を問われる問題が出たのですが、ウリ塾では普段から「自分で考える」ことを大切にしているので、やり方への手ごたえもありました。
朴:他には、ウリハッキョでは高卒認定試験を受ける生徒がほとんどだと思いますが、高卒の資格がなくても大学に出願することはできます。それはそれで別の書類は必要になりますが…。そういった、「こういう時にどうしたらいいんだろう?」というウリ学生ならではの疑問にも答えられます。
また、ウリハッキョの行事は、受験を前提にした日本の高校とは時期がずれることが多く、コロナ禍でもっと変則的になっています。そうしたことへの理解もあるので、スケジュールは柔軟に対応しています。授業の組み方は生徒に合わせています。例えば今年、高3になる生徒は日曜日に1コマずつ授業を入れていました。
加えて、契約した生徒には「授業以外でも気になることがあればいつでもLINEで質問して下さい」と伝えています。積極的に活用してくれる生徒もいて、「やっぱり普段こんなに色々な疑問を持っていて、知りたい欲があるんだな」と実感しました。日本の大学への進学を希望する同級生がいなければ、皆の前ではなかなか話しにくいこともあるでしょう。ウリ塾がそうした疑問や悩みを吐き出す場にもなればと思います。
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生徒を募集します!
ウリ塾では、2022年度の生徒を募集しています。対象は、日本各地の朝鮮学校高級部に通う生徒および卒業生です。定員は3人。気になる方は、以下の詳細をチェックしてみて下さい。
【カリキュラム】
―授業はすべてzoomを用いたオンライン授業とします。
―学生の要望に応じた科目・分野を担当講師が指導します。
―授業は原則、担当講師指定の参考書に基づいて進行します。
※ただし、生徒の必要に応じて指定参考書以外の参考書の内容を学習したり、担当講師独自の学習資料を用いて学習する場合もあります。
―公式アカウントを通していつでも質問を受けつけています。質問内容に応じて公式アカウントで返答したり、内容によっては授業時間に解説を行います。
【授業料】
1コマ(60分)3500円/1.5コマ(90分)4900円
※無料体験授業、受験に関する質問・相談(受験制度/模試の選択/志望校選択など)を随時受けつけています。また、SNSでは授業ノートも公開しています。以下のアカウントから確認・ご連絡下さい。