金沢で食べて飲んで溶けた話
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先日の連休、高級部時代からの友人2人と、昨年から企画していた金沢旅行に行ってきた。
出張や締切などの仕事に追われ、準備を友人にほとんど任せきりだったので、自主的にタイムスケジュールを作成した時のこと。
朝、8時42分発の新幹線を取っていたので、「私みたいな人がいるので、集合時間は余裕をもって8時30分にしましょう」と冗談半分で書いたのだけど、「いや、8時20分にしましょう」と赤が入った。
なめられたもんだな…と思っていたが、当日、私は見事に10分遅刻。集合場所から乗り場までは思ったより距離があり、時間ぴったりに乗車した。私より私を知っている旧友に乾杯である。
昼頃、金沢に到着し、電動自転車をレンタルし、近江市場へ。
初日の昼食は海鮮丼を予定していた。筆者は、ちょこちょこ刺身をつまめるようにはなったものの、丼を平らげるほど海鮮は得意ではないので、新幹線の中で少し腹を満たしていたが、他2人は空腹状態。市場に入った2人は周囲に目もくれず、ハイスピードでお店探しに猛進していたので、数回見失った。
連休で、どのお店も長蛇の列だった。お店を決め、予約表に名前を記入し、待ち時間に市場で立ち食いをすることに。筆者もマグロの盛合わせを注文し、(生臭さがなくて、まぁおいしく食べれるわ)ぐらいにむしゃむしゃつまんでいたが、他2人はホタテやウニに唸っていた。
お店に入り、金沢名物ののどぐろが入った海鮮丼を食べた2人は、「のどぐろ」と「ホタテ」に憑りつかれていた。丼を食べない筆者は、一杯飲もうかなと思っていたが、いわゆる「まんぼう」で酒類の提供をしていなかった。
旅行の2日間、雪の予報ははずれ、見事に晴れたものの、かなり寒かった。「体あっためようか」と向かったのは、近江市場内にあるビール販売所。完全に判断がおかしい。しかし、さまざまなフレーバーのビールは美味しかった。
お酒で体が温まったと錯覚したところで、ひがし茶屋街へ。
「鬼滅の刃」に出てきそうな町を少しぶらぶらして、金沢名物の金箔ソフトを食す。
街を一通り散策し、ホテルに戻り、温泉に浸った。
連日の疲れと、この日の寒さで、温泉が最高に気持ちよく、溶けるかと思った。
ポカポカになり、一休みし、夕食のお店に向かった。
システムの不具合で、予約が取れていなかったというハプニングが起こるも、運よく席に座ることができ、サービスもしてもらい、丸く収まった。ホテルに戻り、2次会→温泉→3次会を経て3時ごろ就寝。翌朝が辛かった(笑)。
さて、2日目も移動はすべて電動自転車だ。
朝食は、金沢で有名だというパン屋へ。かなり並んでいたので、ブランチになってしまったが、キッシュがとても美味しかった。
そして、21世紀美術館へ。
SNSでよく見かける、プールの中にいるような写真が撮れる美術館だ。館内に入ると、これまた長蛇の列。そして、「プールの入場券は完売」の文字が。
アートに疎い一行は、予定変更し、近くを散策することにした。
美術館の前に、金澤神社と鳥居の階段を発見したので、とりあえず向かう。
鳥居が連なる階段をのぼりながら、なぜか学生時代の部活を思い出し、階段を、もも上げで一段ずつ登る競争をすることに。とても疲れた。※周りに他の客はいなかった
競争は、負けた。ちなみに、こんな練習メニューはなかったはずだ。
隣に兼六園があったので、行ってみることに。美術も疎いが、庭園を愉しむメンバーでもないだろうと思いながら入場した。
兼六園は、江戸時代の代表的な大名庭園として、加賀歴代藩主により、長い歳月をかけて形づくられ、水戸偕楽園(かいらくえん)、岡山後楽園(こうらくえん)とならぶ日本三名園の一つだという。1874年、全面的に市民に開放され、それにあわせて多くの茶店が出店。1922年、日本の名勝に指定され、1985年には名勝から特別名勝へと格上げされ、庭園の国宝とも言える最高の格付けを得たという。
梅が少し芽吹き、歴史のある松や、海をモチーフにした池が広がるも、団子や焼餅の匂いに吊られて茶屋にたどり着く。まさに花より団子である。
日本国内最後の戦争「西南戦争」(1877年)の従軍戦死者を慰霊するため、1880年に建立された「明治紀念之標」の日本武尊像を総スルーするメンバーたち…。
道なりに歩き、金沢城に向かっていたが、城に続く橋の手前で、茶屋が連なる通りを見つけてしまい、自然と足がそちらへ向かった。花より団子にもほどがある。
微妙な時間帯だったので、茶菓子は食べず、ひがし茶屋街に向かい、能登牛を食べた。
さんざん食べたが、前日のホタテとのどぐろの呪いが解けない2人。「ホタテの立ち食いで締めたい」と近江市場に行き、ホタテの立ち食いのあと、のどぐろの寿司で締めた。
帰りの新幹線は、もちろん爆睡だった。
***
久しぶりに、仕事のことを一切考えず、連休を満喫することができた。
いい新年度を迎えることができそうだ。(蘭)