数年ぶりに血液検査をした話
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先日、金沢旅行の次の日から、全身がかゆみを帯びだした。
アレルギー持ちなので、(よくある一時的な大炎症だ、薬を塗れば落ち着くだろう)と、常備してある薬を塗って寝たのだが、翌日になっても収まる気配はなく、それどころか、かゆみは異常なほど増して、日常生活がままならないほどだった。
主に、腹部、背中、腕(肘より上)がかゆく、蕁麻疹のような湿疹が出ている。何より、服が肌に当たるだけでかゆすぎて、いてもたってもいられない。体温が上がるとかゆみが強まるので、風呂もこたつも地獄だ。背中とベッド、腹部と布団が接して寝付けないうえに、やっと眠りについたかと思うと、布団の温度が上がると飛び起きるほどかゆみが強まり、死ぬかと思った。
原因はわからないが、これまでにない症状だったので、何かまずいものを食べたせいに違いない。
心当たりがあると言えば、金沢旅行の最後に食べたズワイガニだ。昔、血液検査で、甲殻類のアレルギー反応が出ている。絶対それだ。これから先、海鮮の中で唯一大好きなカニを永遠に食べれないのか…。
そんな悔しさも相まって、一晩中、のたうち回った。
翌日、かかりつけの病院に行こうとしたら、なんとその日は休診日…。悪寒がして、なんとなく息が苦しかったがどうにか乗り越え、その翌日に病院で診てもらった。
さて、久しぶりの採血だ。医者からは、定期的に血液検査をするよう言われていたが、血液検査は費用が高い。「血も金も吸い取られたくない!」という思いから、ごまかし、ごまかし、数年間やってこなかった。
この日は、前日同様、じっとしていられないほどかゆみが強かったので、かゆみを抑える薬を注射でうってもらうことになった。おそらく、注射の痕を最小限に抑えるという理由で、採血をしたらその針のまま薬を投与することになっていたが、医者がカルテに書き忘れ、採血を終えてしまった。かゆみに耐え兼ね「薬ぃ、薬ぃ…」とうなされる筆者。
医者:「あー-っ!!忘れてた!!採血と逆の腕にうつことになるけどいいかな…。よし、半額にしよう!!」
…ナイスだ。半額は助かる。
そして月曜日、検査の結果を聞きに行った。
医者:「白血球の数値が300増えていて」
筆者:「ほう…」
医者:「〇△の数値が下がっていて、※★が…」
筆者:「…」
血液検査を避けていた理由はもう一つ、お金と血を吸い取られた末に聞く、血の話がさっぱりわからないからだ。そして、アレルギー反応の結果は、
医者:「ダニの反応が増えてて、犬、ネコも増えてる。春は動物の毛が入れ替わる季節だから、注意して。小麦粉はあまり反応が変わってないね」
筆者:「ふむ」
医者:「とうもろこしとトマトの反応が強くなってて」
筆者:「ほう」
医者:「カニは…反応ないよ」
筆者:「なぬっ」
医者:「その代わり、チョコレートと牛肉の反応が強くなってる」
筆者:「…(ぎくり)」
医者:「甘い物と牛肉、食べ過ぎてるんじゃない?」
筆者:「…」
アレルギー反応は、免疫の過剰反応からくる症状だ。つまり、筆者の体には警戒態勢万全な超強力ウイルスバスターが搭載されていて、ダニや花粉のみならず、食べ物にも反応しているということだ。それゆえか、ウイルス性の病気にはめったにかからない(今だから言えるが、朝大時代、インフルエンザが蔓延した時、感染者たちの隔離部屋にこっそり遊びに行ってもかからなかった)。
筆者は、アレルギー反応があるからといって、テレビで見るような呼吸困難などはない。
自分でもわからないぐらい、体内で反応が起きているというレベルから、かゆみや湿疹が出るレベルまでの反応だ。
そして、反応が出るからといって、その食べ物を食べることができないというわけではない。少しずつ食べ、免疫をつける―という治療法だ。
トマトなどの反応が増えているのは意外だったが、牛肉とチョコレートは心当たりしかない。
どんな結果がでても対策は「胃腸に負担をかけないようによく噛み、腹八分目で抑えること、睡眠をしっかりとって、ストレスをかけないこと」。
その日、注射を打ってもらって以降、かゆみはだいぶおさまったが、まだなくなってはいない。湿疹もなくなる気配がないので、長い戦いになりそうだ。(蘭)