李承信選手、高まる期待―9日、再度フランス戦
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大阪朝鮮高級学校出身で、朝鮮学校出身者として初めてラグビー日本代表となった李承信選手(21、スタンドオフ・SO、コベルコ神戸スティーラーズ所属)。
7月2日には、愛知県の豊田スタジアムで行われた「リポビタンDチャレンジカップ2022」の日本代表(世界ランキング10位)対フランス代表(同2位)とのテストマッチで先発出場を果たしました(写真提供=日本ラグビーフットボール協会)。
日本代表は、9日に国立競技場(東京都)でフランス代表と再戦します。
激化する司令塔争いを若き21歳が制するか期待がかかります。
以下、7月2日の李選手の活躍を報じた朝鮮新報を転載します。
https://chosonsinbo.com/jp/2022/07/0505-3/
当初、李選手はリザーブ登録だったものの、先発予定だった山沢拓也選手(SO:背番号10をつけている選手のポジション)が新型コロナ陽性で欠場が決まり、李選手がスタメンに繰り上がった。
李選手は6月25日に行われたウルグアイ戦で代表初キャップを獲得し、初得点も挙げた。代表初スタメンとなったこの日の相手は、世界ランキング2位のフランス。新進気鋭の司令塔が強豪国を相手に、キレ味鋭いステップ、精度の高いスキルとランプレーをどれほど発揮できるかに注目が集まった。
7点ビハインドの前半、フランス代表のペナルティから李選手は、反撃の狼煙となるPG(ペナルティーゴール)を決め、3点を獲得。同14分には味方のトライから得たコンバージョンも成功させた。さらに25分には40メートルを超える位置からのPGに成功。日本代表が前半に挙げた13点中、8点を李選手が挙げ、チームをけん引した。前半を13-13の同点で折り返す立役者となった。
一方、後半では極度のプレッシャーのなかで疲れが見えはじめた李選手は、タックルを突破され、相手のトライを許した。試合は23-42で敗れたが、李選手はこの日、3PG・2Gを挙げ、躍動した。
試合後、李選手は「急遽スタメンになったが、チームが勝つために自分の役割を果たしていけたら」という思いで試合に臨んだとしながら、2万4千人が駆け付けたこの日の試合を「これだけたくさんのファンの方に囲まれてプレーできたのは人生で初めて。自分のこれからの良い経験になる」と振り返った。
李選手が本職とするSOは、激しい競争が続いている。山沢選手のコロナ陽性により、日本ラグビー協会は4日、代表キャップ69回と経験豊富な田村優選手を代表に追加招集することを発表した。
日本代表は、9日に国立競技場(東京都)でフランス代表と再戦する。激化する司令塔争いを若き21歳が制するか期待がかかる。(朝鮮新報・全基一)