10月号特集は、「在日朝鮮人を知るためのブックガイド」
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月刊イオ編集部は、新社屋への移転を終え、10月号の制作に鋭意取り掛かっています。
10月号の特集は、「在日朝鮮人を知るためのブックガイド」。
在日朝鮮人とは誰なのか―。
どのような歴史と思いをもって生きてきたのか―。
私たちの「存在の根本」にかかわるこの問いについて考えるうえで、示唆や気づきを与えてくれる本を分野・ジャンルごとに紹介します。
文学、教育、歴史などそれぞれのジャンルにおいて外せない本を載せたいと思い、識者の方々と本を選んできました。
大人向けだけではなく、中学生、高校生にも読んでもらえるような本も載せたいと思い、
現場の先生方にお願いし、マンガ、読み継がれてきた良書を取りいれます。
さらに、今話題になっている本(賛否が分かれている本)を批評し、多角的な目で私たちの存在を見つめます。
紹介したい本を紹介しきれない!
というのが編集しながらの感想です。
今回は主に日本語で書かれた本を紹介しますが、そもそも「在日朝鮮人の母語」が何か、という根本的な問いにもぶち当たります。
在日朝鮮人の「表現」を考えたとき、「日本語という檻」の中でしか思いを伝えられなかった歴史に目が向きます。植民地期に朝鮮語を学ぶ機会や朝鮮の名前を奪われたこと、さらにそれが1945年8月の解放後も続いたこと…
一方、「日本語の檻」の中でも朝鮮語を獲得しようとした希望やあがき、苦しみもあったと思うのです。特集では、母国で出版された朝鮮語の本を一冊紹介する予定ですが、このような本が出されたという事実にも大きな意味を感じました。
特集のタイトルを、「在日朝鮮人を知るための…」と打ちましたが、誰がどういうきっかけで知りたいと思ったのか―。
本は、無理強いすることができないだけに、評者がそれぞれの本に引き寄せられた動機にも大いに興味が湧いています。10月号の締め切りまであと8日。(瑛)