ぶっ飛んでいた東京朝鮮中高級学校美術部展
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1月31日から2月5日まで東京・池袋の東京芸術劇場アトリエイースト・ウエストで行われていた東京朝鮮中高級学校美術部の展示を見に行ってきた。
美術部展は今回が第17回を数える。美術部展は、私の関係者がかかわっていたこともあり、この10年ほど毎年観にいっている。
毎年、テーマというかキャッチフレーズを決めていて、今年は「見る・考える」。会場で配られていたパンフレットに美術部部長の次のようなあいさつが掲載されている。
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「見ること、そして考えること…何かを深く知ろうとするとき、この二つの行為にはいったいどのような関係が生まれるのか」
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「作品」はひとつひとつの異なる視点、様々な価値観を共有する媒体として、「展示」は見ることと考えることの繋がりを感じさせる場として、皆様に働きかけます。
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会場の入り口に近づくと、映画「ターミネーター」に出てくるロボットのような作品が立てられていた。作品名は拾混合神立像「解脱」(鄭大悟、写真)。作品の説明には「拾い集められたものたちの魂は今、混ざり合わさり強くここに立っている」と書かれてある。
いきなり度肝を抜かれた。
会場に入ると、所狭しと作品が展示されている。数えてみると100ほどある。しかし、複数の絵が一つの作品を構成している場合もあるので、確かな数はわからなかった。
絵画もあれば立体作品、映像作品、書道作品などもあって多種多様。いわゆる普通の人物画や静物画などは皆無で、「ぶっとんだ展示だな」というのが感想だった。中高生の感性、本当に恐ろしい。
土曜日、日曜日には部員たちによるパフォーマンスやアーティストトークなどが行われた模様だ。
東京中高美術部の展示は年を追うごとに注目を集めている。これまで朝鮮人生徒だけでなく日本人生徒や日本人アーティストの作品も展示されたことがあり、朝鮮学校の存在を示す大きな場になっている。
開催にあたりクラウドファンディングが実施されたが、これも無事に目標を達成した。
来年も開催されれば、また足を運びたい。(k)