“4・24の精神を”-文科省前「金曜行動」に約1000人
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国会議員ら日本市民が連帯
1948年の「4・24教育闘争」75周年を前に、4月21日、東京・虎ノ門の文部科学省前で「金曜行動」が行われ、朝鮮大学校生や、東京や神奈川の朝鮮高校生、保護者、国会議員をはじめとする市民団体の代表ら約1000人が参加。文科省の建物を取り囲み、朝鮮学校への差別の是正と民族教育権の保障を求めて声を上げた。
主催者を代表してあいさつを行った「フォーラム平和・人権・環境」共同代表の藤本泰成さんは、自らのアイデンティティを獲得し民族の誇りを取り戻そうと戦った「4.24教育闘争」の犠牲者に哀悼の意を表し、「内なる植民地主義」を乗り越え、在日朝鮮人に対する差別のない社会をつくり上げるため最後まで戦い抜く決意を語った。
「金曜行動」に先立ち、文部科学大臣宛てに提出した要請文を、在日朝鮮人教職員同盟の金燦旭さん(神奈川朝鮮中高級学校校長)が読み上げた。
国会からは、高良鉄美・参議院議員(沖縄の風)が駆け付け、日本政府の対朝鮮制裁に反対の意思を表明、すべての人に基本的人権を保障する立場に立って、朝鮮学校差別をなくそうと呼びかけた。
對馬テツ子さん(緑の党)、キム・ソンジェさん(日本キリスト教教会総幹事)、坂本洋子さん(日朝友好女性ネットワーク代表)らも力強い言葉で朝鮮学校生や教員、関係者たちを激励し、連帯を表明した。
意思、受け継ぐ―
「先輩オモニたちの意思を受け継ぎ、これからも抗議を続ける」―。東京朝鮮高級学校オモニ会会長である朴淳芽さんは、マイクを握り決意を語った。
朝鮮大学校3年の金香美さんは、「学校を守るため、先代たちが汗と血を流した『4.24教育闘争』から75年が経とうとしている今も、私たち変わらず差別を受けている。日本政府は高校無償化という教育の問題を政治的、外交的な問題とし、朝鮮民主主義人民共和国や総聯との関わりがあることが問題であるように世論を煽り、朝鮮学校を徹底的に弾圧しようとしている」と主張し、「4.24の精神を受け継いだ私たちがいる限り、差別がなくなるまでこの権利闘争は終わらない」と力を込めた。
東京朝鮮中高級学校の金鎮帥さん(3年)は、「私たちが受けている差別は、日本が朝鮮を植民地にし、差別や弾圧をしてきたその日から、本質は全く変わっていない。自分の国の言葉を話し、祖国について学ぶことがそんなにもいけないことなのか。どれだけ私たちの人権を踏みにじれば気が済むのか」と訴えた。
参加者たちは、横断幕やプラカードを掲げ、今もなお続く朝鮮学校に対する差別に反対し、シュプレヒコールを叫んだ。
最後には、勝利する日まで戦い続ける決心をこめて、「声よ集まれ、歌となれ」を参加者一同で歌った。
代表たちとともに文科省に要請文を提出したリ・ソナさん(朝大4年)は、「私たちは75年間、声を上げ続けているが、日本政府の朝鮮学校に対する弾圧は本質的には変わらないし、難しさを感じた。しかし、要請を出すことは、民族的な尊厳を求めるものであり、朝鮮人として生きるために必要なことだ」と語った。
「金曜行動」は約1時間にかけて行われた。徐那於さん(朝大4年)は「初めてこのような大規模な『金曜行動』に参加してみて、身をもって『4.24』の精神を感じ、同胞たちの力を再確認することができた」とこれからの希望と期待を語っていた。
同日、ソウルの日本大使館前では「ウリハッキョと子どもたちを支援する市民モイム」をはじめとする市民団体が「4.24教育闘争75周年による共同行動」として記者会見を行い、朝鮮学校を差別する日本政府を糾弾した。(哲)