文学フリマへ
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文学フリマは、「自らが〈文学〉と信じるもの」を作り、作り手自身が販売する、文学作品展示即売会です。
小説・短歌・俳句・詩・評論・エッセイ・ZINEなど、さまざまなジャンルの文学が集まります。
同人誌・商業誌、プロ・アマチュア、営利・非営利を問わず、個人・団体・会社等も問わず、文芸サークル、短歌会、句会、同人なども出店しています。参加者の年代は10代〜90代まで様々です。
現在、九州〜北海道までの全国7箇所で、年合計8回開催しています。
「文学フリマ」へ行ってきた。数年前にSNSを通して知り、気になっていたイベントである。毎回盛況で、今年の出店数は1435にも及んだらしい。
1435人の方、あるいは(一つのブースに複数人の場合もあるので)それ以上が自ら作品を作って持ち寄る。事前に写真などでも見知っていたが、実際にその場へ行って熱気と表現の多様さに圧倒された。
私が購入したのは以下。
エッセイ、台湾、短歌、書くこと…。自分の趣味や関心事に引っ張られて手に取ったものたちだ。まだほとんど読めていないが、最後の『dialogue diary』は寝る前に数ページずつ読み進めている。
「馬を飼い、家を買う」「ダニを舌に乗せるアレルギー治療法」「オンラインでの会話は頭に血が上る」など、話題が縦横無尽に流れていくところが気ままで面白い。文体をあまり整えず、雑談したそのままに言葉を記録しており親しみも持てた。
当日、イベント帰りの来場者たちが会場前のスペースにたむろし、買ったばかりの作品をさっそく読んでいる姿がほほえましかった。来場者、出店者、みながとても楽しそうだった。
話は変わるが、先日、著者インタビューをした。『猪飼野の朝鮮学校』編纂に携わった高元秀さんだ。
インタビューの中で高さんは、本を作る意味について以下のように語っていた。
「本を作ることは大事だよ。あると誰かの目に触れる。私が本を出すのは、誰が読むか分からないから。思いもしなかったような人が読んでくれているのを知った時、驚きとともに『本を出すってこういうことなんだな』と思った」
取材は文学フリマへ行ったあとに実施したものだが、作り手の思いという点でリンクするものがあって興味深かった。インタビューの具体的な内容はイオ7月号に掲載される。ぜひお買い求めください。(理)