9月号特集は、「ウリマルで働く」
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夏真っ盛りのなか、昨日19日に月刊イオ8月号が発刊、現在イオ編集部では、次号9月号(8月中旬の発売予定)の制作に取り掛かっています。
9月号の特集は、「ウリマルで働く」。
朝鮮語のスキルを生かして仕事にしている人、語学関連の職業についている人などウリマルを使って働いている同胞を取りあげます。
私たちにとって、朝鮮語を学ぶ営みは、単に言語を学ぶことに尽きない―、自分自身を知り、民族的アイデンティティを育む営みでもあります。
イオ編集部には20~50代の幅広い世代がいますが、全員が朝鮮学校で朝鮮語を身につけ、それをもって働いています。二つの言語を行き来しながら、暮らしている自分自身の存在についても改めて考えています。
一方、イオ世代(30~40代)を見ると、朝鮮語で仕事をし、第二、第三の人生の場で朝鮮語をスキルアップしながら、活躍の場を広げている人たちが少なくありません。
2000年代に入り、韓国のエンタメが日本や世界を席巻していますが、字幕作成、関連イベントの司会などに携わる人たちに在日コリアンは少なくない。朝鮮と日本の間は、長らく国交がないままですが、過去を振り返ると、貿易、人的交流など、朝・日の関係をつないできた人たちも多くいました。
今特集では、学校教育の場で朝鮮語を学ぶ意味を念頭に置きつつ、
「ウリマルで働く」人々の姿を通じて、朝鮮語を身につけているメリットを実用的に考え、伝えたいと思っています。
昨日編集部で2時間ほど議論をしながら改めて考えたのは、「ウリマルで働く」というテーマについて。
朝鮮半島が二つに分断されているなかで、私たちの言葉―ウリマルは、朝鮮語、韓国語と表記が分かれており、それぞれに向けた意見や視線もさまざま。どうしても政治的、歴史的な課題を意識せざるをえません。
実際に企業やビジネスの世界で「働く」となると、スキルアップは欠かせません。それぞれの業界に慣習もあり、日本語と朝鮮語以外に求められる言語スキルもあるでしょう。
また、ウリマルを武器に働く人は、女性が圧倒的に多い印象がありますが、その辺りも深堀りしたいと思っています。ウリマルの魅力に取りつかれ、ウリマルを持って4,5世のアイデンティティを育てようと教育現場で教える人たちも丁寧に描きたいと思います。
何より特集では、「朝鮮語/ウリマル」で「働く」ことで、どんな世界が広がっていくかを探り、そして拓いていく-。そんなきっかけを作れたらいいな、と静かに意気込んでいます。(瑛)