朝鮮学校差別是正のために今、私たちが出来ること―西東京朝鮮第2初中級学校で学習会
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「『東京都こども基本条例』から~朝鮮学校差別是正のために今、私たちが出来ること~」と題した学習会が7月22日、東京都町田市にある西東京朝鮮第2初中級学校 で行われた(主催=「朝鮮学校を支える町田市民の会」 )。
学習会には「朝鮮学校を支える町田市民の会」、「ハムケ・共に」、「チマチョゴリ友の会」などの支援団体のメンバー、同校の申俊植校長をはじめとする教職員たち、町田市議会議員、東京都議会議員、町田地域の総聯専従活動家、在日同胞、日本の市民ら56人が参加した。
学習会ではまず松原拓郎弁護士(井の頭法律事務所)が「東京都こども基本条例(2021年4月1日施行)の意義」というタイトルで講演を行った。松原弁護士ははじめに、東京都こども基本条例およびこどもの権利条約の基本精神、概要や特徴、意義について説明しながら、子どもたちの意見がしっかりと反映され、子どもたちが自分のアイデンティティを大事にし、意見を吸収して、成長していくことが子どもの最善の利益における重要性だと言及した。さらに松原弁護士は「条文に沿って大事なのは「すべての子どもたち」ということであり、これには国籍などは関係ない。1人ひとりの子どもがこの条例で守られる対象である。この対象には当たり前に朝鮮学校に通う生徒たちも入る。すべての子どもたちが置かれた環境に応じてきちんと支えられる権利がある。それぞれのルーツを正面から肯定することが大事で、それを肯定する場を与えてあげるのが社会、大人の責任である。朝鮮学校に対する補助金の支給が社会や都民の理解が得られないという理論は正当性を失っている」と強調した。
次に上村和子国立市議会議員が朝鮮学校への補助金不支給問題と支給再開に向けた都議会への働きかけについての経過報告 を行なった。
さらに西東京第2初中の申校長が発言した。申校長は本校も含めた朝鮮学校での児童・生徒数の減少や財政難に関して話しながら、「このような難しい状況の中でも児童・生徒たちは元気に登校し、学校生活を送っている。さらに本校は今年、生徒たちが虹のように輝き、朝鮮学校と日本の方々を結ぶ架け橋を作るという意味でムジゲハッキョ(虹の学校)というコンセプトを打ち出した。これからも地域に根ざす学校にしていきたい」と決意を語った。
最後に、朝鮮学校が差別を受けていることについての現状や、日本の支援団体の方々への感謝の気持ちを綴った東京朝鮮中高級学校高級部3年生の文章 が町田市民の会のメンバーによって代読された。
今後、8月5日には杉並で学習会とグループワークが行われ、9月には江東区枝川にある東京朝鮮第2初級学校でイベントが行われる予定だ。
参加者の感想
矢嶋直武さん(78、町田市民)
「今日の学習会に参加してみて、朝鮮学校に補助金が支給されるのは当たり前なことだと実感した。今後も朝鮮学校のいろいろな行事に地域の人が集まり交流することが大切だと思う。同時に日本社会における朝鮮学校に対する偏見を正していくために、これからも在日コリアンの方々と関わりを持ち、協力し、行事にも積極的に参加していきたい」
趙丹さん(46、西東京第2初中児童・生徒保護者)
「今日の学習会を通して、市民、地域の力があればやり遂げられることが多いということ、またこのような活動を継続的に行っていくことで大きな力が生まれるということを実感した。今回の学習会には同会のメンバーらと共に歩みたいという思いで保護者として参加した。町田市民の会のメンバーの働きかけや活動に感動し、凄いと思った。今後も私たちができることを努力して行っていきたい」。