停戦協定から70年、素晴らしい文芸作品の数々
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今日、7月27日は朝鮮戦争(祖国解放戦争 1950~53年)の停戦協定が結ばれた日である。
今年はちょうど70周年ということで、朝鮮では様々な行事が行われる。月刊イオの7月号でもそれに関する特集「70年目の『7・27』」が組まれた。
特集は2部構成になっていて第1部は「私たちと朝鮮戦争」、第2部は「文学でたどる戦場の生」となっている。
第1部は、在日朝鮮人や日本人にとっての朝鮮戦争とは何だったのかを語るもの。これもこれまでにない切り口の内容だったのだが、何よりも第2部の「文学でたどる戦場の生」が斬新で注目の内容となっていた。
朝鮮戦争をテーマにした歌や映画、文学作品は、戦禍の中で作られたもの、停戦後から現在まで作られたものと朝鮮で数多く作られてきた。それらの歌や小説、映画はどれも大好きで心を動かされる作品群だ。
特集の中で紹介されていた小説は「燃える島」。これは映画「月尾島」の原作になった。作家・石潤基の「戦士たち」も紹介されていたが、この作品は大学時代に日本語で翻訳されたものを読み、卒業後、朝鮮語の原文のものを読んでいる。歌では「泉のほとりで」などが紹介されていた。
私が個人的に好きな映画は「名もなき英雄たち」。40年ほど前、初めて朝鮮を訪問したときに観た。戦時中に諜報部員として南へと潜入した男女2人の手に汗握る物語で、全20部にわたる大作だ。今は手元になくなったが、感動したので、その後訪朝したときに脚本を買い求めて2度も繰り返し読んだのも懐かしい思い出だ。
紹介された「月尾島」も感銘を受けたし、その他にも「従軍記者の手記」「ある看護隊員の物語」など多くの名作の名前が浮かんでくる。
特集で朝鮮大学校の洪潤実さん(文学歴史学部助教)は次のように解説を締めくくっている。
「石潤基の作品が今日も名を馳せているのは、朝鮮人民の尊い生を守るその戦いの物語に、今も人々が共感し鼓舞されているからではないだろうか。裏を返せば、朝鮮人民は未だに生死のかかった戦いから解放されていないのだ。」
月刊イオはすでに8月号が発売されているが、7月号もまた手に取り特集を読んでもらいたいと思う。(k)