朝日大学生の団結力で状況打破を! 第2部・集会
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責任追及と差別反対を訴え新宿でデモ/関東大震災朝鮮人虐殺100年、朝・日大学生が主催からの続き
朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別に反対する朝日大学生一大行動「トルパ(突破)プロジェクト」。8月21日には新宿区内で行われたデモ・パレードに引き続き、2部では「関東大震災100年 朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別に反対する朝・日大学生集会」が文京区民センターで行われ、約170人が集まった。
集会ではまず「関東大震災時の朝鮮人虐殺が日本帝国主義による朝鮮植民地支配期に起こり、その虐殺直後に国家、警察が事実を隠ぺいし、現在に至るまで真相調査はされず、国家責任、植民地支配責任が果たされておらず、さらにその歴史は現在、否定、わい曲、矮小化され、史実を知っている主権者がほとんどいない状況で、東京都による追悼文送付の拒否や東京都人権部による映画作品上映禁止問題、地続きにある朝鮮人差別、蔑視問題のような日本社会の状況を打破していくための朝・日大学生たちのプロジェクト」であるというトルパプロジェクトの趣旨が発表された。
次に関東大震災朝鮮人虐殺と現在の朝鮮人差別についての解説が同デモ・パレードおよび集会の実行委員4人によって行われた。
実行委員らはまず、関東大震災朝鮮人虐殺が起こった歴史的背景には日本帝国の韓国併合から始まった植民地支配、政策があると説明した。次に関東大震災朝鮮人虐殺がどのように始まり、どのように進んでいったのかについて説明があった。実行委員らは「1923年9月1日に発生した関東大震災では数多くの犠牲者が出た。そんな中、朝鮮人虐殺が起こったのは非常事態が原因ではない」と強調しながら、「朝鮮人虐殺の本当の理由は日本人の朝鮮人に対する蓄積された蔑視感情からきていた」と主張した。さらに実行委員らは震災による出火が朝鮮人による放火、爆弾投下によるものだというデマに伴い、震災当日から官民による虐殺が始まったとのべた。また、虐殺は東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城、栃木、群馬などの関東各地で行われたと話した。
さらに実行委員らは軍隊の配置、戒厳令の発布、自警団の配置などの虐殺にいたるまでの流れ、虐殺方法に関しても言及した。
実行委員らは他にも日本政府による事実の隠蔽工作、朝鮮人有志たちによる朝鮮人虐殺の実態調査、小池百合子都知事による追悼文送付拒否問題、日本政府の動き、在日朝鮮人に対する差別など関東大震災朝鮮人虐殺から現代に続く問題に対しても解説した。
集会の中盤では実行委員らによる証言朗読「100年後に残す真実の手紙」、パネルディスカッション「なぜ今、関東大震災朝鮮人虐殺を語るのか~朝・日大学生の立場から考える」、連帯ビデオメッセージの発表と連帯挨拶が行われた。
集会の最後には朝・日大学生の声明文が発表された。声明文は日本社会で続く植民地主義と朝鮮人差別(直接的な朝鮮学校差別、在日朝鮮人に対するヘイトスピーチ、ヘイトクライム)について批判しながら、朝・日大学生が過去から現在にわたり続いている民族差別や植民地主義の克服のために共に行動し、日本政府に虐殺に対する公式謝罪と真相究明を求め、100年を節目に現状を突破していく行動を主体的に行っていくとした。
また、今後の行動についての言及があった。10月から11月にかけて連続講座、特別シンポジウム、講演会、映画上映会、展示会などが各地で行われる予定だ。
今回のデモ・パレードおよび集会の実行委員の1人である江郷快菖さん(20)は関東大震災朝鮮人虐殺の問題は当事者である自分たち日本人が朝鮮人と助けあって解決していくことが大事であり、若い世代(朝・日大学生たち)がこの問題を知ることでこれから長い間、より多くの若者やさまざまな人びとに歴史の事実を伝え続けることができるとのべながら、「当時を生きていた人たちが減ってきている現状を踏まえながら、当時を生きていない自分たち若い世代が学習をして、現状を直視し、手をとりあい行動することで、より良い未来を切り開き、築いていけると思う」と語った。さらに江郷さんは「関東大震災朝鮮人虐殺の問題を広く知ってもらい、広く考える契機にしたいという思いで行事を準備してきた。今日のデモ、集会を通して問題意識を持つ人たちが団結すれば社会を変えることができる。今日の行事は今後に繋がる経験になった」と語った。
この日の行事に参加した留学同兵庫の黄桂範さん(22)は朝鮮人に対する今の日本社会の見方や考え方、差別などが横行している現状について強く感じる部分があったとのべながら、「加害の歴史がもみ消されないように自分たち若い世代が今日のような運動を続けて、想像力を広げていくことが大事だと思った。朝・日大学生の連帯を持つことが歴史を伝えていく上で大事な役割を果たすと実感した。今後、留学同兵庫で学習と並行して歴史と向き合うための運動・実践を続けていきたい」と語った。(国)