時代は電気自動車
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日本には数多くの自動車メーカーが存在する(トヨタ自動車株式会社、三菱自動車工業など)。欧州、米国、中国を筆頭に自動車メーカーが続々とEV(Electric Vehicle、電気自動車)モデルを発表している。電気自動車とは一般車(燃料をエンジン内で燃焼させて走らせる)と比べてバッテリーに蓄えた電気でモーターを駆動させる車である。
世界的にみるとイギリスでは2035年までにガソリン、ディーゼル車の販売を禁止すると政府が発表した。その他にもフランスでは2040年までに(環境連帯移行大臣発表)、アメリカのカリフォルニア州(同州大気資源局発表)、さらに中国も2035年までに内燃機関車(※1)を全面禁止する方向で検討している(中国工業情報化省発表)。一方で、ポルシェ(ドイツの大手自動車メーカー)はE-フュエル(※2)を利用した内燃機関車を電動車と同時に利用できるように準備しているという。EUは2022年10月に欧州域内で2035年までに二酸化炭素を排出する車、小型商業車の新車販売を禁止すると発表した。
このような電気自動車への転換が進む中で日本はどうなっているのか。2021年の菅首相の発表によれば日本は今のところ2035年までに電気自動車の全普及を実現すると宣言している。
現在、地球温暖化が問題視されており、さらに気候変動により、世界中で自然災害が発生している。その影響で欧州では特にエンジン車の人気が落ちており、電動車への切り替えが進んでいる。アメリカではテスラモーターズの電動車が絶大な人気を誇り、世界シェアもかなり伸びている。中国の国内シェア1位を誇る上海汽車はEV、PHV(プラグインハイブリッド車)などの新エネルギー車の販売台数を2025年に約350万台とする戦略を発表した。また中国の大手メーカーでEVの世界販売シェア2位を誇るBYDは今年9月20日に小型車「ドルフィン」の2つのモデルを日本で発表した。
日本でも現在、電動車の普及が少しずつはじまっている。個人的な意見としてはまず地球温暖化をはじめとする自然災害がもたらす問題の解決を率先して、その後、電動車の普及に拍車をかけるのがいいのではないかと思うが、果たしてどうなのか。各国の自動車メーカーの思惑もあると考えられる。(国)
※1~燃料をシリンダー内で燃焼させることで燃焼ガスを直接作動流体として用い、そのエネルギーによって動力を取り出す仕組みを採用した機関車。内燃機関車にはディーゼル機関車、ガソリン機関車、ガスタービン機関車が含まれる。
※2~CO2と再生可能なエネルギーによる水の電解から得られたH2を用いた合成燃料で、ガソリンや軽油などの代わりとして期待されている脱炭素燃料。