女子サッカー朝・日戦の現場から
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第33回オリンピック競技大会(2024年7月26日~8月11日、フランス・パリ)出場をかけた女子サッカーアジア最終予選、朝鮮民主主義人民共和国対日本の第2戦が28日、東京都の国立競技場で行われた。
サッカー朝鮮女子代表チームの来日は7年ぶり。会場には3000人の同胞応援団が駆けつけ、選手たちに声援を送った。
拮抗した試合を繰り広げた朝鮮代表は1-2で惜敗したものの、アウェイである日本の地で、朝鮮の権威を堂々と見せつけた。
後の記者会見で朝鮮のリ・ユイル監督は「両チームとも全力を尽くし、素晴らしいプレーを行ったと思う。勝利を収めることができなかったことについては残念に思うが、今回の試合を通して、朝鮮と日本のサッカーがさらに発展するきっかけになったと思う」とのべた。同胞応援団については「日本全国から声援を送ってくれた同胞のサポーターたちにいい結果をもって応えることができず大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ。これからさらに良いプレーを見せられるよう努めていきたい」とも。
一方、日本の池田太監督は「DPRKoreaの選手たち一人ひとりの技術力、そしてゴールへ向かう推進力、その能力にチームの狙いと組織力も備わって、本当に難しい試合になると見込んでいた。2試合とも、選手らの強さと組織力が発揮されていたと感じている」としながら「このアウェイの中で多くのサポーターが駆けつけていたのを見て、皆さんがDPRKoreaを支えていると感じた。試合後、五輪で頑張れと声をかけてくれた人もいた。サッカーを愛する仲間としてスタジアムに来てくださったことを嬉しく思う」と話した。
先述の通り、客席には3000人の同胞たちが日本各地から集まって、チームカラーの赤をまとい、朝鮮の国旗をはためかせ、選手たちを応援した。
スタジアムには終始、「ピルスンチョソン(必勝朝鮮)」「ヒムネラチョソン(頑張れ朝鮮)」の掛け声や、この日のために文芸同で新たに創作された応援歌をはじめ、朝鮮の歌が響き渡っていた。
神奈川朝鮮中高級学校の金昌希さん(高3)は、「たとえ異国の地でも祖国が私たちを想ってくれるように、次は私たちが祖国を日本で応援しようという気持ちでこの日スタジアムに足を運んだ。辛い局面でも団結して勝ちにいこうとする姿から、同胞社会も団結すれば苦難を切り抜けられると勇気をえた」という。金さんは、「朝鮮の選手が来るとなると、日本各地から同胞が集まる。このような温かい同胞社会をこれからも守り続けていきたい」と話した。
李莉沙さん(34)は「朝鮮女子サッカー代表の試合を日本の地で久しぶりに見られて感動した。選手たちの力強くパワーみなぎるプレーを通して、かのじょらの誇りを感じ取れた」としながら「スポーツは国境を超えるという言葉がある通り、日本と朝鮮の地をまたいで選手たちと同胞応援団の団結力も発揮されたと思う。在日同胞らが朝鮮にいけない状況の中で、選手たちの姿を直接見られていい機会になった」と話した。
※試合の詳報は、3月中旬発売の月刊イオ4月号でご覧いただけます!(取材班/まとめ=鳳)