子どもが生まれて手放したもの
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最新号の4月号の特集は、「50代を生きる」。
この特集の中で、「50代同胞の暮らしと意識」と題した読者アンケートを実施した。
質問の中に「50代に入って『手放したこと』はありますか?」という項目がある。いろいろと面白く、興味深い回答があったが、考えてみると、何歳になったから何かを手放すというより、何かのライフイベントをきっかけにあるものを手放すというケースが多いのではないか。
私の場合は、結婚というタイミングも大きかったが、一番は「子どもが生まれてから」だろう。
以下、子どもが生まれてから手放した主なもの。
【自分の時間】
手放したというより「なくなった」というのが正しいかもしれない。一日24時間は万人に平等に与えられているが、それをどのように使えるかはその人による。乳児の頃は、成長すればどんどん手がかからなくなってくると思っていたが、それはとんでもない勘違いだった。
【革靴】
靴に求めるものは、①履きやすく脱ぎやすい、②滑らない、③走れる、④雨や汚れに強い。子どもを抱っこして外出したり、家の中に入ったりする。保育園でも脱ぎ履きする。子どもを抱っこしたまま安全に外を移動する必要がある。外を縦横無尽に駆け回り、ときに予想外の動きをする子どもに対応し、こちらも俊敏に動かないといけない。そうなると、答えは決まっている。スニーカー一択だ。近年は、学生の頃でもこんなには履かなかっただろうというくらいスニーカーを履いている。
もちろん、普段の生活でまったく革靴を履かないわけではないが、履くとしてももっぱら着脱しやすいローファーで、汚れに強いスエードなどの起毛素材のもの。革底の靴は滑りやすいのでNGだし、着脱しにくいレースアップのブーツなどもってのほか。好きでよく履いていたブーツは今、シューズボックスの肥やしになっている。
【デリケートな素材の服】
自分の身支度にかける時間は子どもがうまれたことで激減。普段着はアイロンがけが必要な服は着ない。汚れてもいいように、高い素材の服も着ない。ガシガシ洗える綿素材を身に着ける機会が圧倒的に多くなった。最近ではウールその他の素材の服もウォッシャブルで手入れが簡単なものが増えていてありがたい限り。
【バックパック(リュック)以外のカバン】
カバンは両手が空くバックパック一択。素材はもちろん、頑丈で汚れに強いナイロン。ブリーフケースやトートバッグは登場機会がほとんどない。レザー素材のものはクローゼットの肥やしになっている。
子どもファーストで、大人のものは後回し。必然的に収納スペースも限られるので、一度に所持できる靴は〇足まで。服は〇着までとなっている(厳密に決まっているわけではないが)。新しいものを買いたいなら、手持ちのものを処分する。新しく手に入れるということは、すなわち他の何かを手放すこと。我が家の掟。
【本】
「キングオブ場所を取る」ものといえば本。「この本必要なの?」という妻のプレッシャーに年がら年中さらされている。一度読んで、何度も読み返さないだろうなという本は実家行き。図書館の利用頻度も高くなった。根本的な対策としては、電子書籍への移行だろうか。(相)