ハルモニたちの痛みを自らの痛みとして/4.23アクション体験記
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「더이상 피해자들의 존엄을 공격하지 마라!!」
「これ以上被害者たちの尊厳を傷つけるな!!」
裴奉奇さんが沖縄で日本軍「慰安婦」として性奴隷状態を強いられ、自らの体験を告発した証言が1977年4 月23 日、『朝鮮新報』に掲載されたことをきっかけとして、有志たちが「4.23アクション」を始めました。メモリアルデーである昨日、10回目となるアクションのデモが東京・千代田区の内閣総理大臣官邸前で行われました(主催=在日本朝鮮人人権協会 性差別撤廃部会)。
私は取材も兼ねてですが、証言の朗読という形でデモに参加しました。今年は、大学生を含む5人のメンバーでハルモニたちの証言を朗読しました。事前に朗読と併せて自らの心情を語ることを決めて挑みました。
証言を朗読するうえで、最も気をつけたことは、日本軍性奴隷制における日本政府の責任を追求するために証言を「消費」しないこと。私は、1992年に東京で開催された「日本の戦後補償に関する国際公聴会」で証言された金英実ハルモニ(1924-2003)の証言を朗読しました。そのため、公聴会の映像も見ながら、絶えず限りなく想像力を働かせて、その痛みをわが痛みとして受け止めながら証言を朗読しました。そして、証言から30年を超えた今、未だに公的な謝罪と補償がなされていない中で、ましてや歴史否定が跋扈するこの地で、ハルモニに代わって日本国家の責任を訴えるため、証言を声として再び表層に浮かび上がらせました。
アクションに初めて参加してみて、朝鮮大学校、在日本朝鮮留学生同盟の学生をはじめとする多くの青年たち、そして幅広い在日同胞と日本市民が参加していたことに希望を見出しました(主催者発表で現地の参加者は約100人でした。またインスタグラムのライブでも約50人の参加者がいました)。
また記者として書きことばで普段訴える者として、現場の運動に入り、自らことばを発することも重要だと感じました。証言朗読のメンバーで会議を重ね、ほかのメンバーの話も聞いて、自らも朗読し、心情を語ることでより主体的に問題を捉えることができました。同時に、朝鮮語でなされた証言を旧宗主国のことばで発さなければならないことへの葛藤、やるせなさを改めて感じました。
日本軍性奴隷制によって、ハルモニたちは尊厳を奪われ、ことばと名前も奪われました。私は、歴史の生き証人である在日朝鮮人の一人の男性として、自らの立場からハルモニたちの訴えに応答していきたいと思います。
日本軍性奴隷制によるすべての犠牲者とサバイバーたちの尊厳を回復するために、日本政府に謝罪と補償を求め、これからも自らのペンと声で訴えていきます。(哲)
28日には、4.23アクションのフェスが企画されています。日本軍性奴隷制問題について学べるパネル展、アートワークショップ、ラップワークショップや音楽ライブなど、問題に関心があるすべての人びとにとって参加しやすいハードル設定となっています。
イベント詳細は、先日の(理)さんのブログから!
4/23のインスタライブで朗読拝見していました。イオの方がいらっしゃったことをブログで知りました。人の声で証言を聞くだけでも胸が張り裂けそうでした。その体験とその証言がどれほどのものだったか想像を絶するということをあらためて感じ、そのことをもってこれからどうありたいか気持ちをもちなおす時間でした。朗読されたみなさん自身による言葉とシュプレヒコールと同じ気持ちでいます。証言朗読していただきありがとうございました。
タナベ様、インスタライブにてご覧いただきありがとうございます。証言を朗読するうえで、一人の在日朝鮮人男性として、ハルモニたちの訴えに応答したく、当日はあえて所属を明かさずに前に立ちました。同様に私も、他の朗読メンバーたちによるハルモニたちの証言を改めて声として聞くと、胸が張り裂けるような思いでした。しかし同時に、日本軍性奴隷制によるすべての犠牲者、サバイバーたちの尊厳を回復するためにも、少しずつでもその声を胸に刻み、向き合い、そして絶え間ない「対話」をもって、この非人道的な国家責任を追及することが大事だと強く実感しました。同じ時に同じ思いを共にすることができてうれしいです。コメントいただきありがとうございました。(哲)