いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます
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いつごろから増えたのか、駅やコンビニのトイレに入ると次のような文章が掲示されている。「いつもきれいにご使っていただき、ありがとうございます」(写真)。2枚目の写真はもっと丁寧だ。
上京した40数年前にはこのような文章は掲示されていなかった。
こんな文章を見るたびに、何か釈然としない気持ちになっていた。あまりにもした手に出ていないか、利用者に必要以上に媚びを売っているのではないかと。
普通に「きれいに使いましょう」「汚さないようにしてください」でよいではないのか。
実際にあっさりしたこのような文を掲示しているトイレもある。男子トイレには「もう一歩前へ」というのも多い。
このような掲示が増えたのは、実際に効果があるからだという。
ネットで調べると、「まだ発生していないことをすでに発生した前提にして相手に突きつけることでそれに沿った行動を相手がとらざるを得ない、と思わせる効果がある」と説明し、それを「前提挿入」と言うのだそうだ。
このような掲示文。日本以外の国々でも掲示されているのか、調べてみてもわからなかった。日本独特のものだと思うのだが、どうだろうか。
最初の方に「こんな文章を見るたびに、何か釈然としない気持ちになっていた」と書いたが、今では本当にきれいに保たれ従業員の掃除の負担が少しでも減るなら、こんな掲示文も悪くないのかもしれないと考えている。(k)